二度と出られぬ部屋 最終章 オーバードーズ Part.1

 4人目のジャマールと沙綾香の関係性は、最悪だった。前の3人にも沙綾香が心を許している様子はなかったが、それに輪をかけてひどい。

 理由は、ベッドに沙綾香を這い蹲らせたジャマールが、その性器を詰ったことだ。

「ひひひひっ、ひっでぇプッシーだなジャパニーズ!! 黒人3人にレイプされて、グチャグチャになってんじゃねぇか。穴もガッポリ開いてよ、スプレー缶ぐらいならそのままぶち込めそうだぜ!!」

 沙綾香の白い尻をつま先で蹴りながら、大声で野次を飛ばす。それが他の黒人共の笑いを呼び、沙綾香の表情が引き攣る。

「はぁ!? ふざけないでよ、あんた達のせいでそうなったんでしょ!!」

 背後に向かってかなりの剣幕で叫ぶが、ジャマールはむしろ愉快そうだ。

「その割にゃ、プッシーがヒクヒクしっぱなしじゃねぇか。白いヨダレ垂らしながらよぉ!!」

 その二言目で、また爆笑が巻き起こる。地獄だ。

「………………!!」

 もはや何を言っても茶化されると悟ったのか、沙綾香は憮然とした表情で前を向く。

「どうした、犯される準備はオーケーってか?」

 ジャマールがさらに煽っても、答えない。

「オウ、拗ねちまった。ガキくせぇのはツラだけじゃないらしいな!」

 ジャマールは肩を竦めて今一度周りの嘲笑を誘い、悠々とボクサーパンツを脱ぎ捨てる。厚い布地から弾けるように飛び出した逸物は、少し離れた場所にいるマーキスよりも明らかに大きい。マーキスはすでに一度射精してはいるが、回復力が増強されているという端塚の言葉通り、すでに斜め上を向くレベルの完全勃起に戻っている。それと比べても、ジャマールの逸物は一回り大きかった。

 改めて見比べてみれば、1人目のマーキスから始まり、2人目のダーナル、3人目のドミニク、そして4人目のジャマールと、後になるほど逸物のサイズが増しているようだ。だとすると、この後もさらに……。

 悪寒がする。だが、その悪寒に向き合っている暇もない。ガラス板に隔てられた下のフロアでは、今まさに、沙綾香がジャマールの剛直を捻じ込まれているところだ。

「ん、くっ……!!」

 これまでで最大のサイズの挿入。当然、沙綾香は苦しそうだ。だが、その反応は薄かった。鼻から荒い息を吐き、シーツを掴みながらも、必死に声を殺している。

「どうした? アンアン鳴いてみろよ。泣き叫ぶのでもいいけどよぉ!」

 ジャマールがそう催促しても、やはり声は漏れない。

 異様な光景だった。桜色の肌をしたスレンダーな少女が、その3倍ほどの体躯を誇る巨漢の黒人に後ろから犯されている。ギシィッギシィッとベッドが軋む音は、今にも壊れるのではないかと心配になるほどだ。シーツの擦れる音もひどく耳障りだし、這う格好で激しく突かれる沙綾香の乳房も、形が視認できないレベルで前後に激しく揺れている。ジャマールが腰を打ち込むスピードがあまりに速いので、逸物の大きさは確認しづらいが、時おり覗く黒い塊は、日本人のペニスの倍は横幅がある。

 この条件なら本来、絶叫が伴うのが自然だ。洋画の中でも最もハードな部類に、何かの間違いで華奢な日本人少女が入り込んでいるような状況なんだから。

 それでも、沙綾香は一切声を漏らさない。前から覗き込む連中を警戒してか、口を開いてすらいないようだ。鼻息ぐらいは漏れているはずだが、それすらジャマールの獣のような息遣いに掻き消されて聴こえてこない。無音だ。まるで、彼女には何の衝撃も伝わっていないかのような。

「ヘイ、いつまでヘソ曲げてんだクソビッチ! 喘げよ! 俺のは太くて最高だろうが、よおッ!?」

 ジャマールは明らかに焦っていた。いくら激しく犯したところで、相手が無反応であれば一人相撲だ。そうなれば、嘲笑の対象は奴に変わる。

「どうしたジャマール。そのお嬢ちゃん、マグロじゃねぇはずだが? 俺とのファックでギャンギャン喚いてんの見てたろ?」

「お前ぇん時だけ、なーんで静かなんだろうなぁ? そのコックにゃ綿でも詰まってんのか!?」

 ここぞとばかりに、罵詈雑言がジャマールに浴びせられる。

「黙れ!」

 奴は躍起になり、沙綾香の下腹を両手で抱え込みながら、激しく腰を打ちつけはじめた。バイソンが人を襲っているかのようだ。沙綾香の膝が何度もシーツから離れ、深い窪みが覗く。そんな状態下でも、やはり沙綾香は声を上げない。

「……っ!!」

 何度か頬を膨らませ、嘔吐の兆しを見せてはいたが、その次の瞬間には引き締まった無表情に戻る。

「いつまでやってるつもりだ? まだ全員回ってねぇんだ、とっとと出しちまえよ!!」

 腰を振り続けるジャマールに対して、とうとう苛立ちの声が上がりはじめた。その声は瞬く間に波及し、何人もがジャマールを糾弾する。ライバルを蹴落とそうという感情からか、それとも単にリンチが好きなだけか。

「クソがッ!!」

 ジャマールは叫び、激しく腰を打ちつける。そしてほんの少し腰の動きを緩めた後、荒い息を吐きながら腰を引いた。

 薄桃色の尻肉と黒い逸物とを、白い糸が繋いでいる。しっかりと射精を終えたらしい。沙綾香は射精されている最中すら、声を上げずに耐えきったようだ。

「ハァッ……ハァッ、ハァッ……どうだ、声も出ないほど良かったか?」

 ジャマールが汗を滴らせながら呼びかけると、沙綾香はゆっくりと身を起こす。彼女もかなり汗を掻いているが、表情はあくまで涼しげだ。

「ああ、終わったの? なんか後ろで必死に腰振ってるのは知ってたけど、入ってんのかよくわかんなくてさ。ちょっと寝ちゃってたよ」

 ふっ、と笑みを浮かべながら、そう答える沙綾香。あそこが開いていると詰られた事の意趣返しか。動向を見守っていた連中が一気に噴き出す。沙綾香に視線を向けられているジャマールだけが苦い顔だ。

「この、ガキッ……!!」

 ジャマールが目を剥いて拳を握りしめた瞬間、その肩を別の一人が叩く。

「ああ!? 離せアンドレ!!」

「駄目だ。お前は時間を使いすぎた」

 5人目のアンドレは、すでに下穿きを脱ぎ捨てている。雄雄しく反り勃った男根は、待ちきれないという明確な意思表示だ。荒々しく睨み上げるジャマールに対し、あくまで静かな瞳で見下ろしているのも、有無を言わせない独特の風格がある。

「早く引っ込め、チェリーボーイ!」

「凄んでも無駄だ、テメェの負けだよ!!」

 さらに野次まで飛べば、ジャマールはバツが悪そうに拳を下ろし、戦場を去るしかない。




                 ※




 意地でも声を殺し、ジャマールの面子を潰したのは見事だった。だがその偉業が、かえって沙綾香の首を絞める。一度耐えた以上は、次も耐えるしかない。ジャマール相手には声を殺しきったが、その直後にまた悲鳴……では格好がつかない。


 悪いことに、アンドレの怒張はジャマールよりさらに大きそうだ。

 アンドレはジャマールとは対照的に口数が少ないようで、黙々と事を進めた。

 沙綾香をベッドの上に仰向きで寝かせ、大きく足を開かせる。そしてその性器の上に、勃起しきった自らの怒張を置く。『今からこれを挿入する』……そう宣言するように。

 そのサイズが、また恐ろしくでかい。印象は、黒く巨大なフランクフルト。ただし雁首が張っているし、根元にいくほど太い。そして、玉袋が肛門に触れる位置に置かれたその亀頭の先は、完全に沙綾香の臍の位置を超えていた。


『あっ、はっ、はっ……こ、ここ!! ここまで、入っれるぅ……!!』


 桜織の言葉を思い出す。

 過去記録の終盤、彼女はちょうど今の沙綾香と同じ格好で突かれながら、臍より上を人差し指で押さえていた。あのケースでは桜織の勘違いとも思えたが、今は違う。全て収めきれば、臍より上まで届く。その事実を明確に突きつけられている。

「う……っ!!」

 沙綾香は顔を歪めていた。アンドレはそんな彼女をじっと見ていたが、やがて小さく腰を引き、逸物の先を割れ目に宛がう。そして一拍置いてから、一気に突きこんだ。

「っっ!!!」

 入れるぞ、という合図があったにもかかわらず、沙綾香の反応は大きい。結果的に声を殺せはしたものの、かろうじてだ。

 ジャマールほど嫌な性格ではないようだが、このアンドレも加減をするつもりはないらしい。沙綾香の太腿に手を添え、パンパンと鼓膜の震えるような音を響かせながら、猛烈なピストンを繰り返す。怒張が引かれるたびにピンクの陰唇が捲れる様は、インパクトが凄まじい。

 沙綾香はじっと耐えていた。だが、口をきゅっと引き結べていたのは最初の数分だけだ。そのうち、口を開閉して荒い呼吸を繰り返すようになる。そしてさらに時間が経てば、頭上に投げ出された手がシーツを掴みはじめた。その頃には顔もかなり余裕がなくなっていて、子供でも産むかのような雰囲気だ。

 それを見て、アンドレは笑った。そして沙綾香の太腿から手を離すと、必死にシーツを掴む彼女の両手首を握りしめ、上半身を前に傾がせる。紛うことなき『レイプ』の形だ。寡黙な男だが、ああして手首を押さえて、何人もの女性を犯してきたに違いない。逸物を沙綾香の腹に乗せたのも、相手に覚悟を決めさせるためではなく、恐怖に引き攣る顔を楽しむためだったんだろう。

「う……っ!!」

 沙綾香が睨み上げる中、アンドレは薄笑みを浮かべながら逸物を打ち込みつづけ、絶頂する。獣じみた咆哮を上げる前4人とは違い、声を出さない大量射精。それは、非常に不気味だ。



 6人目のレジャナルドは、アンドレとは真逆でノリの軽い男だった。壁に手をつかせた沙綾香に後ろから挿入し、常にクリトリスや乳房を刺激しながら、耳元に何か囁きかけている。どうやら、相当下劣な言葉を囁いているようだ。

「っ……そんな事したら、本気で殺すから!」

 沙綾香は何度もその手を払いのけ、怒り心頭な様子で背後を睨みつける。それでもレジャナルドは懲りず、何度も同じ事を繰り返しながら、気持ち良さそうに射精に至る。

「触んないでよっ!!」

 最後に髪を撫でられそうになった時、沙綾香は本気で嫌がってその手を跳ね除ける。

「気の強ぇ嬢ちゃんだな。“これから”が楽しみだぜ」

 レジャナルドは含みのある言葉を残し、白濁を滴らせながら次の男に場所を譲る。



 7人目のトラバンは、沙綾香の羞恥心を煽るやり方を好んだ。壁に手を突いた沙綾香を犯すやり方はレジャナルドと同じだが、トラバンは沙綾香の左腿に腕を回し、強引に高く上げさせる。結合部が鏡に映り込むように。

「ちょっと、やだ……いい加減にしてよ!!」

 沙綾香は手で恥じらいの部分を隠そうとするが、トラバンはその手を払いつつ、髪を掴んで沙綾香に鏡を見させる。意地の悪い男だ。


 嘲笑され、茶化され、羞恥心を煽られながら、決して細くはないペニスを延々と挿入される。それは着実に沙綾香の気力と体力を削っていった。だが、それでも7人目まではまだマシだ。

 彼女にとっての本当の試練は、8人目以降。最後の3人を相手する沙綾香は、本当に痛々しかった。

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Siti Dara

Hi. I’m Designer of Blog Magic. I’m CEO/Founder of ThemeXpose. I’m Creative Art Director, Web Designer, UI/UX Designer, Interaction Designer, Industrial Designer, Web Developer, Business Enthusiast, StartUp Enthusiast, Speaker, Writer and Photographer. Inspired to make things looks better.

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