二度と出られぬ部屋 最終章 オーバードーズ Part.1

 

「んぐっ、あ゛っ! ぐうう゛っ、ん゛!! い゛た……んんぐうう゛っ!!!」

 

 天井のスピーカーから響きわたる沙綾香の声は、ところどころ掠れ、濁っている。普段の彼女の声は、艶がありながらも溌剌として若々しい、声だけで妖艶な美少女と判るようなものだというのに。

 とはいえ、顎に皺を寄せてまで必死に歯を食いしばり、その合間から漏れる声なんだ。普段の声とかけ離れているのも当然だ。俺はそう思う。だが、沙綾香に同情的でない連中の感想は違っていた。

「ひひひ、ひでぇな。あれが財閥令嬢の出す声かよ?」

「泣けてくるよな。いくら育ちがいいっつっても、黒人にブチ犯されりゃ、そこらのガキとなんも変わらねぇんだから」

「これからもっと酷くなってくだろうぜ。なんせ、黒人10人に連続で犯されんだ」

 俺の周囲に控えるセキュリティ連中は、岩のような不細工面を歪め、下卑た言葉を交わしあう。どいつもヤクザや裏カジノの用心棒(バウンサー)らしいが、なるほど品はなさそうだ。

 吐き気がする。この連中の言動にも、それを御する素振りを見せない『ボス』にも。


「……端塚」

 俺が名を呼ぶと、眼帯に覆われていない方の眼がこちらを向いた。本来口など利きたくない相手だが、それでも訊かなければならない事がある。

「なぜ、あの子を犯す。なぜ無闇に苦しめるんだ。さっき手越が、催眠専門のチームがあると言っていたな。倶楽部の意のままに操るのが目的なら、催眠だけで済む話だろう」

 俺がそう言うと、端塚は一瞬間を置き、首を振る。

 重苦しい一瞬だった。『今更、そんな次元の話をさせるのか』──そう言わんばかりの空気があった。

「催眠は、本人にそれを望む意思がないと掛けることができないのです。我々に対する警戒心が強い状態では、上手くいきません。逆に我々に気を許した状態ならば、潜在意識すら書き換えうる。それができれば、どんなカウンセリングを受けようと、どんな治療を施そうと、二度と洗脳が解けることはございません」

「潜在意識すら、書き換える……」

 俺は、無意識に端塚の言葉を繰り返していた。その言葉を耳にすると、妙な気分になる。どうやら俺にとって重要なキーワードらしい。記憶を失う前の俺にとって、かもしれないが。

「そのためにはまず、物理的・精神的に圧迫しつづけ、対象をネガティブな状態に追い込む必要がございます。そして同時に、肉体的な接触を伴う快楽を刷り込み、客や調教師に対して心を開かせます。極度のストレスに晒された人間は往々にして、長く時間を共にした加虐者に対し、好意を抱くようになるのです」

「ストックホルム症候群、か?」

「左様です。最終目的はあくまで、奴隷を倶楽部関係者に依存させること。八金 沙綾香の場合、今は貴方を心の拠り所としているようですが……その貴方が我々の側に戻らないと仰るならば、依存の対象を我々に変えさせていただきます」

 誰かに縋らせる──確かに効果的だ。自我を喪失した人間は、何かに依存せずにはいられない。記憶を失くし、過去の自分に縋ろうとした俺のように。

 ただ、沙綾香が俺に縋っているというのはどうだろう。彼女は何も、俺と2人きりで生きてきたわけじゃない。俺と彼女が出会ったのは、せいぜい数十時間前だ。

「俺が拠り所とは限らないだろう。あの子には家族もいるはずだ」

「いいえ、貴方です」

 端塚は、清清しいほどに迷いなくそう告げた。

「なぜ、そう言いきれる?」

「八金 沙綾香は、家族……特に家長である父親と折り合いが悪いのです。彼女の父親の教育方針は、少々スパルタが過ぎたようでして。彼女は一時期、ストレスで自室から出られない状態にまで追い込まれたそうです。高校の3年間に限り、護衛も世話係もつけずに全寮制の女学院で過ごさせることにしたのは、追い詰められた末の自殺を危惧してのことでしょう」

 端塚は訥々と語る。信用のおけない男だが、今の話に、彼女自身が話していた内容との矛盾はない。

 父親からのプレッシャーに耐えかねて家を飛び出し、厳格な教育への反発で今風の女子高生になりきっている。それでも髪を染めたりしていないのは、いずれは家に……つまりは、令嬢に戻ろうと思っているからか。

 沙綾香は根が真面目だ。短い触れ合いではあったが、それははっきりと感じ取れた。俺をからかう時は小悪魔のようだが、セックスの最中に俺を見つめる瞳は、まさしく乙女のそれだった。部屋から出られないほど塞ぎこむ破目になったのも、不自由な生活を重圧に感じながら、それでも父親の期待に応えようと、限界まで頑張った結果なんだろう。

 そんな彼女が、愛おしくてたまらない。そして彼女の被虐を前に、為す術のない自分がもどかしい。

「話が逸れましたな。ともかく、彼女にとって家族とは、自らを守ってくれる存在ではない。彼女が今縋れるのは、裸で触れ合い、愛し合った貴方しかいないのです」

 端塚はそこで言葉を切り、改めて俺を見据えた。瞳の表情は、愛憎入り混じるといった風だ。

「しかし、貴方が彼女を篭絡してくださって助かりました。一から感情を植えつけるより、依存する対象を変えるやり方のほうが、ずっと根の深い洗脳になるのです。“獲物の細胞そのものを変質させる”……かつての貴方は、そう表現しておられました」

 そう言って、端塚はクツクツと笑う。俺はそれが不気味で堪らず、下向きに目線を逸らした。




                 ※




 階下では、未だにマーキスが沙綾香を犯していた。沙綾香の右足首を肩に担ぎ上げ、ほとんど180度近くまで足を開かせて、正面から腰を突き込んでいる。

 体勢が安定した分、腰遣いはスムーズだ。ドラム缶を思わせる太腿を滑らかに前後させ、たんったんったんったんっと音を響き渡らせている。全力で拍手するようなその音は、張りのある肉が痛烈に打ち合わされている証拠だ。視覚と聴覚の両方から、ピストンの速度が証明されている。

 出入りがスムーズになったとはいえ、マーキスのペニスが細くなったわけじゃない。むしろ男の逸物というものは、快感を得ると太さを増すものだ。つまり沙綾香は、ともすれば最初よりサイズを増した剛直を、リズミカルに捻じ込まれつづけていることになる。

 当然、彼女は苦しそうだった。

「ぜぇっ、は、あ゛……あ、うあ゛!! ぁあはっ! はあっ、は……あ゛ッ!!」

 眉根を寄せてきつく目を閉じ、半開きの口からは荒い息を吐き出す。

「どうだ、黒人のペニスの味は。デカくて硬くて、屈服しちまいそうだろ?」

 明らかに弱ってきている沙綾香に対して、手越が問う。すると、沙綾香は瞼を開けた。かなり疲れているのか、射殺すほどの眼光ではないものの、『屈するものか』という意思は十二分に伝わる強い眼だ。

「こ……こんなこと、されたって……レイプなんかで、言いなりになんて……なんない!!」

 腕を組んでレイプを見守る黒人共は、その気丈さに何かを耳打ちしあい、あるいは待ちきれないとばかりにボクサーパンツの膨らみを撫で回す。犯しているマーキスも、明らかに口元を緩めていた。

「最高だぜ嬢ちゃん。トップモデルみてぇなスタイルに、ちとガキくせぇが可愛いツラ、具合のいいプッシー、おまけに気が強ェときた。今までに50人は女を犯してきたが、お前ほどの上物は初めてだぜ。あああ、口に出すと余計に興奮してきちまった!」

 マーキスの息が荒くなり、腰使いが早まる。射精の時が近いようだ。

「そろそろ出そうだ……いくぞ、いいよなジャパニーズ!!」

「や、やだっ! 中には絶対出さないで、出すなら外に! 中出ししたら、ホントに許さないから!!」

 相手の絶頂が近いことを察したんだろう、沙綾香が英語で捲し立てる。だが、マーキスに逸物を抜く素振りはない。むしろ担ぎ上げた脚を引きつけつつ、腰の圧迫でもって沙綾香の逃げ場を封じる。

「やだ、やだ、やだあっ!!!」

 沙綾香の血相が変わった。ほとんど爪先立ちになっていた左足で相手の足の甲を踏みつけ、脛を蹴り、上半身を左右に捻って必死に暴れる。だがマーキスは動じない。ゴリラと見紛う体躯を誇るあいつにとって、スレンダーな女子高生の抵抗など、赤子に叩かれるようなものなんだろう。

「うううう、う…………ウウウオオオオォッッ!!」

 マーキスが咆哮を上げながら動きを止めた。沙綾香が目を見開く。

「いやあああっ!!! 入ってくるっ、入ってくるうぅっ!!!」

 悲痛な絶叫。

 俺もつい中出ししてしまった事があるが、沙綾香は笑って許してくれた。だがあの時、俺はその有難みを十分に理解してはいなかった。漠然と嬉しいとは思っていたが、それだけだ。

 無力な傍観者になった今、ようやく理解できた。女性にとって、好きでもない男の精液を注がれるのは、受け入れがたい事なんだ。沙綾香が俺の膣内射精を許してくれたのは、それだけ俺に心を開いてくれた証拠だったんだ。

 響きわたる悲鳴が、心を揺さぶる。内臓がゆるやかに腐っていくようだ。


 沙綾香の悲鳴が長く続いたのは、それだけマーキスの射精が長かったことを意味している。

「ふー。タップリ出たぜ」

 奴が気持ち良さそうに逸物を抜き去ると、ピンクの割れ目からどろりと精液があふれ出した。比喩でもなんでもなく『膣から溢れるほどの』その量は、とても人間のものとは思えない。まるで牛や馬といった大型動物のそれだ。しかも、色はペンキのように濃い。あふれた液の一部が沙綾香の左脚を伝い落ちていくが、膝頭を越えてもなお、数メートル離れた俺から視認できてしまうほどに。

 そうした量の多さは、膣内に精を受けた沙綾香自身が一番よくわかるんだろう。彼女は下を向いて、しばし呆然としていた。

「ククク。ジャパニーズ同士の“セックスごっこ”じゃ、こんな射精は経験したことねぇだろ。絶対妊娠しちまうなぁ、ええ?」

 マーキスは勝ち誇ったような表情で、沙綾香の顎を上げさせる。斜め上を向いた沙綾香の瞳は……怒りに、燃えていた。

「バカぁっ!!」

 そう叫ぶと、一瞬の隙をついてマーキスの股間を蹴り上げる。足の足の間。そこを遡った先にあるのは睾丸だ。

「ウ゛オ゛オ゛オ゛オ゛アアッ!!???」

 いかに屈強といえど、剥きだしの臓器である睾丸を蹴り上げられては堪らない。マーキスは股間を押さえながらへたり込み、地面を転げ回る。

「ハッハッハッハ、アイツ玉ァ蹴られてやがる!!」

「これでアイツも女の仲間入りだな。次からはレズセックスか?」

「オイオイ元軍人、無用心が過ぎるぜ!」

 他の黒人連中は、苦悶するマーキスを見て大いに笑っている。嫌い合っているのか、それとも仲が良いからこそか。


「おやおや、勇ましいことだ。多少憤ったとしても、2メートルを超える体格の黒人相手に、なかなか手は出せないものですが」

 俺の対面で下の様子を見ていた端塚が、興味深そうに呟く。沙綾香の悲鳴を聞くと悲しくなってくるように、こいつの声を聞くと無性に腹が立つ。

「中出しを容認しているようだが、いいのか? 沙綾香はいずれ地上に戻すんだろう。その時に黒人の子供を孕んでいるなんてことになれば、さすがに大事になるぞ」

 俺が恨みを込めてそう問うと、端塚は静かにこっちを振り向いた。

「確かにそうなると問題です。ただ、その心配はございません。彼らは特殊な薬物を投与して、“無精子症”の状態にしておりますから」

「無精子症?」

「精液中に活きた精子がいない、という状況です。受精というものは、活きた精子が卵子に到達してはじめて起こりえるもの。放たれた精子が活性状態でないならば、どれだけの量を膣内に注ぎ込もうと、妊娠は有り得ません」

「……あの馬鹿げた射精量は、薬の副作用か?」

「はい。彼らに投与している薬には、精子の生産量を増すと共に、睾丸のサイズアップに伴う貯蓄量向上の効果がございます。一回あたりの射精量は10倍から20倍、回復力は8倍近くにまで増強されるようです」

「まるで動物実験だな」

「酔狂で行っているわけではございません。『複数人から繰り返し大量に膣内射精され、いつ妊娠してもおかしくない』……こうした状況が女性に与えるストレスは甚大なのです。痛みや誘惑に辛抱強く耐える女が、妊娠の恐怖で狂う例は少なくありません」

 端塚の自信ありげな話しぶりからして、前例は多そうだ。何人もの女性で実験してきたんだろう。その集大成が、沙綾香に対するこの調教というわけか。

「だが、無精子症になるような薬の服用を、よくあの連中が承諾したな。ああいう手合いは、女を孕ませることにも執着しそうなもんだが」

「手越とロドニーは、孕ませる危険性のない方が調教上都合が良いと納得してくれています。その他の10人については、そもそも選択の自由がありません。薬の服用を断った場合、彼らは刑務所に“逆戻り”ですから」

「“逆戻り”? 塀の中にいた連中なのか?」

「彼ら10人は全員、強姦を繰り返して刑務所に収監された、超長期刑の囚人です。皆、異常なまでに精力が旺盛でして……。本人達にも自覚があったのか、スポーツやトレーニングで発散させようとはしたようです。ある者は軍役に就き、ある者は格闘技を学び、ある者はパワーリフティングの大会で記録を残し、ある者はフットボーラーとして大成した」

「それでも、性欲を抑えきれなかったのか」

「はい。彼らは人類最高クラスのフィジカルエリートにして、無尽蔵の性欲を御しきれないケダモノ。『竿役』としては大変に優秀です。一般的な調教師の中に1人を紛れさせるだけでも、覿面に効果があるのですが、今回はそれを10人用意しました。ジョーカーを10枚揃えてのトランプゲームなど、いささか勝負の面白みに欠けますが……なにしろ、ターゲットがあの八金財閥の御令嬢ですから」

 そう語る端塚の顔は、ひどく楽しげだ。こっちの心情と見事に真逆であることに、そろそろ呆れる気力もなくなってきた。トランプゲーム? 勝負の面白み? ふざけている。こんな連中に肩入れするなど、冗談でも有り得ない。

 だが、いくら意地を張って敵対したところで、俺達の側に勝ち目がないのも事実だ。

 いっそのこと、協力すると申し出て沙綾香に近づき、隙を見て一緒に逃げるか?

 しかし、端塚はいかにも疑り深そうだ。俺の申し出を心からは信用せず、しばらくは密かに動向をチェックするだろう。そして不審な動きがバレれば、状況は今以上に悪くなるに違いない。

 色々な感情と思考が、頭の中を巡る。そしてその最中にも、階下では沙綾香の受難が続いていた。




                 ※




 沙綾香は今、右側のベッドで這う格好になり、背後から突き込まれていた。

「くう、う……かはっ……あぐ、うんっ……!!」

 薄く開かれた口から漏れる声は、相も変わらず苦しそうだ。犯している男のペニスは角度的に見えないが、沙綾香の反応からして、マーキスと同等以上のサイズなんだろう。

「どうしたジャパニーズ、ダーナルのコックがそんなにいいのか!?」

「さっきから全然動かねぇもんなあ。ホラ声上げてみろ、アンアン最高~ってよ!!」

「お、女の子を、舐め……ないで……!」

 沙綾香はベッドに突っ伏しながら、それでも野次に反論していた。しかし、まるでその反論を待っていたかのように、ダーナルが深く貫きながら動きを緩める。

「あああっ!?」

 沙綾香の悲痛な悲鳴で、射精されているのがわかった。二回連続の膣内射精だ。調教師が無精子症であることなど知る由もない沙綾香にとって、それはどれほど絶望的だろう。

「よ……よくもっ!!!」

 沙綾香はベッドから顔を上げ、犯していた男を睨み上げる。だが、その先にいるのはもうダーナルじゃない。胸板こそ前の2人よりやや薄いが、代わりに上腕の筋肉が輪をかけて凄まじい、また別の男だ。

「『フロリダの暴れ馬』ことドミニク様だ。楽しもうぜえお嬢ちゃん!」

 ドミニクはそう言って、沙綾香の腕を引いた。腰を浮かせた沙綾香の割れ目から、ドロリと精液が溢れ出る。たった2回の射精だというのに、すでにヨーグルトの箱を逆向けたような状態だ。

「い、痛いって! 乱暴にしないでよっ!!」

 沙綾香がきつい口調で不満を告げても、ドミニクは意に介さない。沙綾香を無理矢理ベッドから引きずりおろすと、両腿を軽々と持ち上げる。

 細身とはいえ170センチの沙綾香は、体重も60キロ程度はあるだろう。そうなると結構重い。実際、対面座位で抱く時などは、太腿に相当な圧迫感があったものだ。だがドミニクは今、そんな沙綾香を気合も入れずに抱え上げた。大層な化け物ぶりだ。

 そして奴は、抱え上げた沙綾香を自分の股間へ下ろす形で挿入を果たす。

「あ゛う゛、くはっ……!?」

 抵抗のできない沙綾香は、自重と落下速度で深々と剛直を受け入れるしかない。ドミニクのペニスは前2人よりもさらに大きいように見えるが、それが一気に半分以上隠れてしまっている。

「いぎっ……お、おっき、すぎる……っ!!」

「ヘッ。何言ってやがる、まだ6割ぐれぇしか飲み込んでねぇじゃねえか。ちゃあんと根元まで包み込んでくれよ!!」

 ドミニクはそう言いながら、また沙綾香の身体を浮かせ、勃起した怒張の上に着地させる。ぶじゅうっという音が響き、膣の中の白濁が噴き出す。かなり衝撃的な光景ではあるが、沙綾香の反応がもっと気がかりだ。

「はうううう゛っ!!!!」

 表情が凄まじい。歯を食いしばり、目元に皺を作って、悲痛な声で呻く。抱え上げられてMの字を描く脚の先は、10本の指すべてが反っている。親指だけならともかく、あれほどの数の指が反応するのは、相当な痛みを感じた時だけだ。たとえば、内臓を串刺しにされるだとか──いや、それでは比喩にならない。宙吊りのまま、黒人の黒々とした槍で性器を貫かれる様は、紛れもなく串刺しだ。

「おら、おら、おら!! へへへ、3発目だっつうのによく締まるじゃねぇか。他の奴のザーメンでヌルヌルしてんのも、案外悪くねぇしな。まるでナマあったけぇローションだぜ!」

 ドミニクはそう言いながら沙綾香の身体を上下させ、豪快な結合を繰り返す。

「んぐっ、んんん゛っ……そんなに、ガンガン、落とさないで、よぉ……。痛いって、ホントにっ……!!」

 呻きながら、恨み事を吐く沙綾香。激しい上下のピストンは、華奢な彼女には相当つらいだろう。

 だが、今の彼女にはおそらく、別のプレッシャーも掛かっている。


「ひひひ、『マン屁』がすげぇな」

「ああ。あいつも良い趣味してるぜ。あんな可愛い顔の女のマンコを、ブビブビ鳴らしやがってよ」

 俺の隣で、セキュリティ共が肩を揺らして笑う。

 連中の言う『マン屁』とは、ドミニクが怒張を抜き差しするたびに鳴る、放屁のような音のことだろう。ドミニクはパフォーマンスのつもりか、抜き差しのストロークを大きく取っていた。沙綾香の身体を高く掲げる時には、長大なペニスの亀頭が半分ほども覗く。そのせいで膣内に空気が抱きこまれるらしく、ぶりっ、ぶびっ、という音が抜き差しのたびに起きていた。それに加え、突き込みの度に精液が噴き出すのも一向に止まらない。その2重の悲惨さで、下のフロアには大笑いが起きている。

 その渦中にいる沙綾香の顔は、哀れなほど紅潮していた。

「ん、くっ……くはぁ、はぁっ、はぁっ…………」

 苦しそうに呻き、喘ぎながらも、視線は脚の合間から離れない。

「見ろよ。あのジャパニーズ、すっかり下向いちまってんぜ。ちっと前までは、犯してる奴のツラ睨んでたってのによ」

「プッシーが気になって仕方ねぇらしいな。ま、あんだけブリブリ鳴ってる上に、ザーメンまで飛び散ってんだ。無理もねぇがな!」

「しっかしひでぇ音だな。実質、プッシーから白いクソ漏らしてんのと同じだぜありゃ!」

 黒人連中は随分と賑やかだ。そしてそうした喧騒は、ドミニクを更に調子づかせる。

「どうした、俯いてちゃ勿体ねぇぜ。せっかくスゲェことになってんだ、自分でも拝んでみろよ!!」

 奴はそう叫ぶと、左の壁際に近づいていく。一面に広がるミラーに、あられもない姿を映し出すためだ。

「あ……いやあーーっ!!!」

 一瞬とはいえ、自分の姿を直視した沙綾香は、悲鳴を上げる。可愛い悲鳴だ。こんな時に適切な表現ではないかもしれないが、それでも、思わず『可愛い』と思ってしまう類の声だった。そんな声を、他の奴らに聴かせたくはない。性欲に滾る獣にとって、可憐な悲鳴は血の匂いと同じだろうから。

「いひひひっ、イーイ声だなあ!! ジャパニーズの悲鳴ってのは可愛すぎていけねぇ……もう限界だ、イクぞ! ものすげぇ量が出るだろうがよ、プッシー締めて、一滴も零すんじゃねぇぞっ!!!」

 ドミニクは前の2人と同じく咆哮を上げながら、沙綾香の下半身を腰の上に落とす。

「い、ひやあああっ!!!」

 沙綾香はまた悲鳴を上げた。膣内に精を受ける時の、恐怖に震える悲鳴だ。

 マーキスの立ち鼎、ダーナルの後背位に比べ、ドミニクの体位は射精の瞬間がわかりやすい。なにしろ結合部が丸ごと晒されているんだ。黒々とした蛇のようなペニスが、まるで生きているように脈打つ様もよく見える。

「いやああ!! どれだけ出すのっ、やめてよっ!!!」

 沙綾香が悲痛な声を上げるのも当然だ。

 その壮絶な膣内射精を、黒人連中は面白そうに見守っている。だがそんな中、ロドニーが壁際で煙草をふかすマーキスに耳打ちするのが見えた。

「へへ、そりゃいい」

 マーキスは悪戯っぽい笑みを浮かべてキッチンに向かい、カクテルグラスを手にして沙綾香達の方に近づいていく。

 その時にも、ドミニクの射精は続いていた。『ものすげぇ量が出る』……その宣言通り、ポンプで精液を送り込むかのようだ。どくっ、どくっ、と脈打つ動きが、7回、8回を超えて、まだ続いている。しかも、出きっていなかった前2人の精液と合わせて、とうとう膣容量を超えたらしい。

「いやあ、溢れちゃう!!」

 沙綾香が再び悲鳴をあげ、足をばたつかせた直後。怒張が入り込んだままの膣内から、とうとう精液が漏れ出した。

「ほおおお、すげぇなこりゃ。新感覚だぜ」

 小便を出しきった時のように細く息を吐き、ようやく割れ目から怒張を引き抜くドミニク。極太の栓を失った膣内からは、当然ながら精液が溢れだす。すると、マーキスがその下にカクテルグラスを差し出した。

「えっ? な、何!?」

 沙綾香が驚く間にも溢れつづける白濁は、小ぶりなカクテルグラスをあっという間に満たしてしまう。

「絶倫なオスにしか作れねぇ特濃ドリンクだ。未成年が飲んでも問題ねぇからよ、まあグーッといけや」

 ロドニーがそう言って、沙綾香の鼻を摘みあげる。

「んん……んんん、ん゛ーーーっ!!!」

 沙綾香は口を閉じ合わせて抵抗するが、ハードなセックス直後で完全に息が上がっている状態では、そう何秒も息を止めてはいられない。

「んぷっ、はあっ!!」

 沙綾香がついに大口を開け、酸素を求める。マーキスは、その口内に容赦なくグラスの中身を注ぎいれた。中身が完全に舌の上へ注がれた直後、ロドニーが手の平で沙綾香の口を覆う。

「んん゛っ!? うむう゛っ、う゛、うう゛っ!!!」

 沙綾香は目を見開き、眼球をぐりぐりと動かしてロドニーに訴えかける。それでも奴は加虐をやめない。

「濃厚なオスのザーメンだ。その味と匂いを脳に刻み込め!」

 そう怒鳴りながら、しっかりと口を塞いで吐き出す動作を封じ込める。

「んむ゛ぅううや゛っ!!!」

 沙綾香がまたくぐもった悲鳴を上げ、強く眉根を寄せた。


『そーそー。興味本位で挑戦してみたけど、あれはホーント無理!』


 いつだったか、彼女の発した言葉が脳裏に浮かぶ。あの子は青臭いものが苦手なんだ。ましてやそれが、好きでもない男の精子となれば、どれだけ受け入れ難いことだろう。

 さらに何秒かして、とうとう沙綾香の抵抗が弱まった。そして、ごくんという音が鳴る。白い喉が上から下に蠢いてもいる。飲んだんだ。カクテルグラス一杯の精液を。

「ようやく飲みやがったぜ。えらく抵抗してやがったな」

「だがこれで、本物のオスの匂いと味を覚えただろ。まだまだ3人分だがな!」

 黒人連中が沸き立つ中、ようやくロドニーが手をどける。

「どうだ、黒人のザーメンの味は。ドロドロに濃くて美味かったろ」

「うううえ……おえ、げえっ! はぁ、はぁ……まさか。これだったら、センセの方が、ずっとマシだったよ」

 沙綾香は眉を顰めながら、ロドニーの言葉をきっぱりと否定する。その健気な姿は正直嬉しいが、同時に不安も増す。

「やれやれ、本物の味がわかっちゃいねぇな。ま、その分躾け甲斐があるってもんか。ジャマール、次はお前だ。たっぷりとオスの味を覚えこませてやれ!」

 ロドニーは首を振りながら、4人目を指名する。

「おっしゃあ、待ちかねたぜ!!」

 ジャマールは薄ら笑みを浮かべながら沙綾香に近づくと、その腕を掴んで左側のベッドに放り投げる。こいつも、やはり獣。相手がか弱い少女だろうと、容赦なく欲望を叩きつける畜生だ。

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Siti Dara

Hi. I’m Designer of Blog Magic. I’m CEO/Founder of ThemeXpose. I’m Creative Art Director, Web Designer, UI/UX Designer, Interaction Designer, Industrial Designer, Web Developer, Business Enthusiast, StartUp Enthusiast, Speaker, Writer and Photographer. Inspired to make things looks better.

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