3・エルヒルの、3Pクッキングって何だコラ
「スノーホワイトー、エルー、皆どこだー?」
言いながらも大体いる場所の予想はついているらしく、ヒルデベルトの足音は迷わずキッチンの方に向かってくる。
「また良い所で。……なんなんだよ、毎回毎回」
エルヴァミトーレはその愛らしい顔を歪め、チッと舌打ちした。
あれ、エルにゃん、こんな顔をするとお義兄さんとクリソツですね。……顔の造形自体は全く違うのに、不思議な話だ。
「お、いたいた!……って、エル!!何やってんだよお前!!」
キッチンで行われていた不適切な行為に、キッチンのドアを開けたヒルデベルトは真っ赤になると目を皿の様に丸くして叫ぶ。
エルヴァミトーレはギャーギャー喚くヒルデベルトに、スノーホワイトの頭を押さえる手を放して憂鬱そうな顔で前髪をかきあげた。
「何って……イラマチオだよ、邪魔しないでくれないかな」
文官、お前今さらりと言ったな、イラマチオって。
もう清純ぶった顔しても俺信じないぞ。俺騙されないぞ。
「ズルイズルイ!俺に苺狩りに行かせて自分だけ!!」
ワンコよ、さっき5人でした時に一番ハッスルしてたのはお前だろうが。
抜かずに3連発どころじゃない、5連発だったのを俺は覚えてるぞ、この野郎。
「ずるいのは君達だろ、いつも僕に家事をさせてる間にスノーホワイトとイチャイチャして」
「それでもそれでも!!スノーホワイトを独り占めなんてずーるーいーっ!!」
「ずるくない。ずるいのは君の方だよ、ヒルがスノーホワイトと愛し合った数と僕の愛し合った数じゃ、僕の知る限り君の方が4回多い」
・・・・・。
しばらく俺は呆然としたまま二人のやりとりを見守っていたが、子供の様にギャーギャー口論を続ける様子を見ていたら、次第に体の熱も冷めて来た。
「……私、服着ますね」
前を隠しながら、床に脱ぎ捨てられた服を拾っていると二人の口論はぴたりと止まる。
キッチン内に訪れた不穏な空気に顔を上げれば、男二人は顔を見合わせると何やら恐ろしい事をぼそぼそ言い出した。
「…………まあ、今回は3人でもいいか?」
「…………そうだね、3人なら皆一緒に気持ち良くなれるし」
「え゛っ」
なんだか……物凄く嫌な言葉が聞こえた様な気がする。
「こうしている間にも義兄さん達が帰って来たらと思うと、……争うのは得策ではないね」
「うん、喧嘩してる時間が勿体ない。王子達がいるとスノーホワイトに満足にキスも出来ないし」
真顔で頷き合うと、男達は俺が拾い集めた服を奪って床に投げ捨てた。
「ちょ、ちょっとちょっと!?」
青ざめ一歩後退するスノーホワイトの肩は、背後からグワシッ!とヒルデベルトに羽交い絞めにされて、両太股はエルヴァミトーレに持ち上げられて、あれよあれよと言う間にキッチンテーブルの上に座らせられる。
「何をするつもりですか!?」
「スノーホワイト、暴れると危ないよ」
「うん、落ちたら怪我をするから大人しくして?」
軽く抵抗してみたが、今はもやしっ子の文官だけでなく肉体労働者であるワンコ騎士もいるのだ。
どんなに暴れてみようが、スノーホワイトの細腕で男二人の力に敵う訳がなかった。
あっと言う間に体を押さえつけられたスノーホワイトの脚は、二人の男によって大きく開かせられる。
「きゃああああああっ!?」
ちなみにスノーホワイトは一糸纏わぬ姿のままだ。
「何を…!!」
「何をって、……3人で気持ち良くなろうね!」
「……は?」
キラキラしたお目目で、両拳を握り締めながら力強く頷くワンコに思わず俺は素で返してしまった。
「俺、がんばるっ!!」
ワンコよ。違う、違うんだ。
そういう問題じゃない。
そんな褒めて褒めて?と俺の前世の家で飼っていた馬鹿犬みたいな顔でハッハしながら言うなし。
いや、あのな? どんなに気持ち良くなっても、俺の意思を無視して始めてる時点で俺はお前の事なんぞ褒めねぇぞ、褒める訳ねーだろうが!
「綺麗だよ、スノーホワイト」
「ちょっと、待っ……!!」
そしてこちらは恍惚とした表情でスノーホワイトの足指を口に含むエルヴァミトーレ。
足の指を舐めるのと同時に、スノーホワイトの脚の間に自分の体を入りこませ、脚を閉じるのを封じられる。
「ほら、もっとちゃんと脚を開いて可愛い所をみせて?」
文官よ、お前は本当に先週まで童貞だった男か。
ドライアドのお姉様方カムバック!!絶対にいつかまた、あの時みたいにお前にスカート穿かせてチンコ縛ってあんあん泣かせて仕返ししてやるからな!くそ、くっそ!!
「ほら、そんな硬くならないで?」
「……あ…」
「怖い事なんて何もしないよ、俺は君に気持ち良くなって貰いたいだけだから」
裸のまま足を大きく開かされると、同時に股の付け根まで暴かれてしまう。
必然的に秘裂の左右の肉溝に隙間が出来て秘層が開く。
中の粘膜が外気に触れる感覚にブルリと体が震えた。
「ぅ……恥ずかし……い」
そう嘆きながら真っ赤になった顔を手で覆って隠しつつも、もう既に抵抗心らしきものはほとんどなかった。
こんな明るい場所で人前で裸体を晒す事も、秘めやかな場所を全開にする事にも慣れつつある自分に気付いて少しだけ切なくなる。
いや、一番切ないのは最近男とのセックスに全く抵抗がなくなってきている事だが…。
「恥ずかしがってるスノーホワイトも可愛い」
「凄い、もう蜜でとろとろだ。……よし、俺がもっと気持ち良くしてあげるね!!」
ヒルデベルトはくんくんと犬が鼻を擦り付ける様にしながら秘所に顔を近づけ、秘裂に舌を伸ばす。
「…そんなの、い…いいって……!」
「遠慮しないで!」
「ぅく、ぁっ…ん……、やだぁ…っ」
ペロペロと溢れた蜜を舐め取られる様子を、顔を覆ったままひたすら耐えていると、エルヴァミトーレは「あ!」と何か閃いた様に手を叩いた。
「そうだ、今パイを焼いてた所だったんだよ。ヒルもアングレーズソース味見する?」
「うん!!」
ちょっと待て。
当たり前の様な顔して、何スノーホワイトの胸にアングレーズソース垂らしてんだ、文官。
「美味しい、とっても甘くておいしいよ!!」
そしてお前は何故それを当然の様に舐めてるんだ、ワンコ。
「スノーホワイト、やっぱり君ってとってもおいしいね!」
「……ヒル」
スノーホワイトの体に落とされたアングレーズソースを舐めるワンコ騎士の頭と尻には、パタパタと大きく動く犬耳と尻尾が見えた。
スノーホワイトの体を必死にペロペロ舐めるヒルデベルトのその様子は、俺が前世飼っていた犬が鳥ささみジャーキーを食べた後、床に散らばる食べかすを必死にペロペロしている時の様子に良く似ている。
そのせいで不覚にも少し可愛いと思ってしまった。
「本当に君は甘くて、おいしい」
「あっ…ん……」
「俺……いつか本当に、君の事を頭から全部ぺロリと食べてしまいそうで、自分が怖い。……なんでこんなに可愛いの、スノーホワイト」
鎖骨の辺りを甘噛みしながらそう呟くヒルデベルトの声はいつもよりも低い。
その欲に濡れた男の声に、思わず体がビクリと揺れる。
「っん……!」
デフォルトで男の色香を大量放出している王子様や鬼畜眼鏡と違って、普段は色気の欠片も微塵もない元気キャラのワンコなのが、この時だけは違う。
性交時になると、その瞳が、その声色が、ジワジワと緩やかに愛欲に濡れた色に染まって行く。
普段とのギャップが凄い。
ふと昔、前世姉が少年と青年の間と言う限られた年齢の男にしか出せない魅力やら色気について熱く語っていた事を思い出す。
恐らく俺が今感じてる、奴から放出されている謎の色気やら可愛らしさがソレに該当されるのだろう。
「我慢…出来るかな。……だって、こんなに可愛くて可愛くて、美味しいのに」
「や……ヒル…っ」
下腹部に当る硬い物に自然と腰が揺れ、いつしかスノーホワイトの腕はヒルデベルトの背中に回された。
そんなスノーホワイト達の様子に、隣で一つ溜息を吐く者が居た。
「もう、ヒルばっかり。僕の事もちゃんとかまってよ?」
頭を横にぐいっと傾けさせられた瞬間、エルヴァミトーレに唇を奪われる。
「んん!……ふぁ、……っん」
角度を変えて何度も何度も唇を合わせられる。
唇を離すと、薄く開いた唇を舌先でくすぐる様にぺろりと舐められた。まるでリップクリームでも塗っているかの様に、下唇から上唇まで丁寧に舐められる。
その優しい口付けに脳に甘い痺れが広がって行く。
気持ちが良いのは、こうやって舌にある神経末端を刺激される事により、満足感を感じてしまう様に人の体が出来ているから。頭がぼーっとして体の力が抜けて行くのは、ストレスを和らげるオキシトシンが分泌されるから。それと同時に脳の疲れを取るセロトニンやらドーパミンやらエンドルフィンやらが分泌されているから。――…つまりそう。これはただの生理現象であって、別に俺が男を好きになったとかそういう言う訳ではない。確かに今、男のキスで感じてはいるが、これは男時代の朝勃ちの様な生理現象であり、不可抗力なのだ。
そんな事を考えながらエルヴァミトーレのキスを受ける。
何度も何度も唇を舐められた後は、上顎から下顎、歯裂から歯茎まで、舌で愛撫する様に丹念に舐められた。
「っぅ……、んん……」
舌を絡め取られて向こうの口腔内に吸い上げられた時、気持ちが良くて思わずくぐもった声が漏れてしまった。
(やば、…きもちいい…)
4人の男と関係を持って思ったが、男も4人いればキスもセックスも色々だ。
王子様はあの甘いマスクに似合つかわしくない、全てを奪い尽くす様な激しいキスがお好みだ。
ヒルデベルトと言えば、普段からじゃれる様にするライトなキスが好きで、本物の犬の様にぺろりと顔をやられる事も日常茶飯事だ。
エルヴァミトーレと言えば、天才パティシエが奇跡的に生み出した精巧な美術品の様な、そのショートケーキの様に甘い顔立ちに実に似合わない、蛇の様にねちっこいねっとりとしたキスが好きだ。
セックスの方向性がとても良く似ている鬼畜兄弟だが、実は兄と弟には決定的な違いが幾つかある。
その中の一つを上げるとすれば、兄はスノーホワイトにキスをする事はないが、弟の方はキス魔か!と言うくらいキスが好きな所だろうか。
「舌、出して?」
「ん……こう…?」
言われるがまま舌をべっと出すと、ぺろりと舐められた。
驚きのあまり、思わず舌を口の中に引っ込めようとすると、エルヴァミトーレは大きくかぶり付く様にしてスノーホワイトの唇を奪う。
「ぅ……、ん……んんんんーっ!?」
とろんとしていた瞳を刮目した瞬間、そのまま掻っ攫うかのように舌を向こうの口腔内に持っていかれる。
キスの最中、ずっと伏せていたエルヴァミトーレの翡翠の瞳がそっと開かれた。
その熱い眼差しに、溺愛されていると言って何の遜色もない口付けに、胸の奥にもやっとした物が産まれた。
なんだかんだで自分がコイツ等に愛されてる事を俺は知っている。
体の快楽は認めているし、素直に受け入れてもいる。
しかし心の部分では、まだ認めたくない部分がいくつかあって。
(俺の前世の姿を見たら、こいつらどんな顔すんだろうな…)
いや、覚えてないだけでこいつらにも前世はあるんだろうけど。
もしかしたら今生は美形な7人の恋人達も、前世は二目とも見れない醜男かもしれない。もしかしたら性別だって違うかもしれないし、人間ですらないかもしれない。
そういった意味では、前世についてはお互い様なのだろうが。
―――なのに、なんで罪悪感なんて感じてるんだろう…。
コイツ等が必死に愛を囁いてる相手が俺なんかで悪いなぁと、最近思うのだ。
最初は「こんな美系の王子様達が俺にゾッコンとかワロスwザマァwwww」と笑えたのだが、最近はあまり笑えない。
(分かんねぇよ…)
くちゅりと唇を吸われる音と、クリームの垂らされた素肌をピチャピチャ舐められる音が耳に響く。
ログハウスの外で鳴いていた山鳩はもうどこか遠くへ行ってしまったらしい。
鳴き声はいつの間にか聞こえなくなっていた。
「っは、ぅんん!……やっ、あ、あぁ……ッん!」
その時、ずっと俺の肩を押さえながら首筋や鎖骨の辺りをガジガジと甘噛みしていたヒルデベルトの手が下に下りた。
脇から胸、お腹から胸と、外側から胸の中心に向かって優しく撫でられて、思わず腰がビクつく。
自分の愛撫に反応している事に気付いたのか、ワンコは嬉しそうに笑いながらテーブルの上のジャムの瓶を取った。
「そうだ、このワイルドベリーのジャムも塗ってみようよ!」
「あ、それ楽しそう!」
ワンコの提案に名残惜しそうに唇を離しながら、鬼畜ショタもノリノリで同意する。
「え……な、に?」
甘い口付けと優しい愛撫で蕩けた頭でぼーっとしていると、スプーンで瓶から掬った赤がスノーホワイトの雪の様に白い肌を赤く染めて行く。
まるで真っ白なキャンパスを染め上げる画伯の様に、至って真面目な顔でヒルデベルトは言う。
「気付いてた?君の乳首って、普段はうっすらとした色のベビーピンクだけど、興奮するとこのジャムみたいに真っ赤な色に染まるんだ」
「いいね、このジャムとスノーホワイトの乳首、どちらが赤いか試してみようか」
(おい…ちょっと待て……)
「スノーホワイトのおっぱいは今俺が舐めてるの!邪魔すんなよエル!」
「ええー。……じゃあいいもん、僕はこっちにするから」
膨れ面のエルヴァミトーレがそっと指を挿し込んだのは、既にぐずぐずに蕩けている秘所だった。
「スノーホワイトが気持ち良くなった時に赤くなるのは、何も乳首だけじゃない。――…ここも、なんだよね」
「ひぅっ…」
中の蕩け具合を確認する様に何度か抽挿を楽しんだ後、エルヴァミトーレは指を抜くと、ワイルドベリーのジャムをスプーンで花芯の上に落とす。
「っ、ぅ、……つめた…い…」
冷たい銀のスプーンが一瞬花芯に触れる感覚と、ジャムがとろりと落とされる感覚に身震いした瞬間、エルヴァミトーレと目が合った。
彼は天使の笑顔でにこりと微笑むと、「いただきます」などとふざけた事を言いながらかぷりと秘所に齧 り付く。
「甘いベリーのジャムと、君の蜜の味が混ざり合ってて、……とてもいやらしい味になってる」
「っん……!ぅ、んん、……ば、かっ!……ッぅ!」
「……おいしい。もっと、ねえ、もっとこのとろとろに蕩けたあまい水飴 をちょうだい?」
「や、やぁぁっ……だ、め…!イク、いっちゃう!!」
まるで母山羊の乳を吸う子山羊の様にちうちうと花芯を吸うエルヴァミトーレの頭を押さえ、必死にかぶりを振っていると、ヒルデベルトと言えば手の平全体をつかって胸を揉みながらジャムを肌に広げて行く。
「うわ、なんかテカテカ光ってるし、にゅるにゅるするし、色が色なだけあって凄いエッチだ……」
ジャムでベトベトになった胸まで降りてきた口が、乳首をそっと含む。
エルヴァミトーレがキス魔なら、ヒルデベルトはおっぱい星人とでも言うのだろうか。この男、やたら乳ばかり触りたがる。5人でしている時は自分がスノーホワイトのおっぱい専属係りですとでも言った顔で、乳首から離れない。
男の性だと知ってはいるが、たまに「そんなに吸っても母乳は出ないぞ」と真顔で突っ込みたくなる。
「やぁ……ば、かぁ…」
舌で、唇で啄ばまれ、優しく吸われて、反対側の乳首は優しく指の腹で転がされて、つままれて…――そんな事をされている内に、俺もスノーホワイトの体の変化に気付いてしまった。
(本当だ、本当に乳首が赤くなってきてる…。)
18年間もこの体で生きて来た自分の体だと言うのに、こんな風になるなんて今まで知らなかった。
関心していると、刺激を与えている当の本人も気付いたらしく、声高らかに言う。
「あ!おっぱいが赤くなってきたよ、スノーホワイト!」
「ばか、ヒル……っ!!」
言わないでーっ!!!!
「恥ずかしくなると頬っぺただけじゃなくて、おっぱいや大事な所まで赤くなるなんて、スノーホワイトって本当に可愛いよね!」
無邪気な瞳でスケベな事言うなワンコ!!!!
「ヒルも見る所はちゃんと見てるんだねぇ」
いや文官、そこ関心する所じゃないから。
「当然だろ、俺達の大切なお姫様の体の事なんだから」
「ヒル。生クリームもあるんだけど、こっちに塗ってみない?ここは赤だけじゃなくて、白もあった方が卑猥だと思うんだ」
おい文官、お前頭は大丈夫か。
人のまんこサワサワ撫でながらお前は一体何を言ってやがる。
「ああ、なるほどね。ほい」
「ありがと」
ヒルデベルトがテーブルの上から生クリームの入ったボウルをエルヴァミトーレに渡す。
チュッと花芯に軽い口付をしてからエルヴァミトーレはスノーホワイトの秘所に生クリームを塗りたくり始めた。
「はぁ、あ!ん……やっ、いやぁ」
「うわ……エッチだ…」
「だろ?だと思ったんだよ」
その様子を興味津々で覗き込むヒルデベルトに、何故か自信満々に頷くエルヴァミトーレ。
なんでお前がそこで誇らし気なんだ、意味不明だよ。
「ちょっと、ま、待って!!」
「そうだ、折角だし俺が採ってきたイチゴものっけてみよう!!」
「あ、なんかショートケーキみたいになってきたね」
「今日の3時のおやつのケーキはとっても美味しいね!いつもありがとう、エル!」
「ふふ、そう言われると僕も頑張って作った甲斐があったな」
会話こそ和やかだが……なあ、マジで何やってんの、こいつら。
「うーん。ワイルドベリーの方がスノーホワイトのベリーより赤い……かなぁ?」
「もうちょっとスノーホワイトのベリーも弄ってみようか?そうしたらもっと赤くなるかも」
「…………ちょっと!!いい加減にして!!?」
花芯をツンツンしながら言う男二人を睨むと、彼等はさも不思議そうな顔になった。
「どうしたの、とってもおいしいよ?」
「うん、野イチゴよりも可愛いよ?」
ワンコはともかく、エルヴァミトーレ!お前は女装を可愛い可愛い言われた意趣返しだろ、こなくそ!!
「ここに塗るのも良いけど、割れ目の部分にベリーの真っ赤なジャムを塗ると、まるで処女膜を破られたばかりの女の子みたいだねぇ。擬似的に君の処女をいただいた様な気分に浸れるよ」
「ば…かぁ……!エルのばかっ!!」
生クリームとジャムの混ざり合った物をぺロリと舐めながら、エルヴァミトーレは薄く笑う。
涙目で彼の頭を引っぺがそうと押さえるスノーホワイトを安堵させる様に、ヒルデベルトは朗らかに笑った。
「大丈夫だよ、エルが君の体にどんなにジャムやクリームで汚そうが、俺が全部舐めてちゃんと綺麗にしてあげるからね!!」
「こ、ら!……ヒルも…っ!!」
お前は単に舐めたいだけだろ、こら!!
「そうだ。聞いたよ、君が処女を捧げた相手ってアミー様なんだって?妬けちゃうなぁ」
生クリームをたっぷりつけた指を妖しく笑いながらぺろりと舐めるエルヴァミトーレの瞳に宿る嗜虐的な光りに、猛烈に嫌な予感が全身を駆け巡る。
もうやだ、俺逃げる……。
(思春期男子の底なしのエロパワーになんて付き合ってらんねぇよ…。)
ある意味ある程度年がいって女慣れしている(?)王子と眼鏡の方がマシかもしれない。いや、あの二人にはあの二人の恐ろしさがあるが。
「ごめんなさい、私、用事を思い出しました!!」
「へ?……ちょっと、危ないよスノーホワイト!」
全力でテーブルの下へと降りようとするとなんとかテーブルの下には降りられたが、前からヒルデベルトに抱き締められる形で、尻はエルヴァミトーレに向かって突き出していると言う、最悪の体勢になってしまった。
「あ、良い格好。ヒルそのまま抑えてて」
「OK!」
「げっ」
これなら素直にテーブルの上に乗ったまま、スポンジケーキよろしくデコレートされていた方がマシだったかもしれない。
「ヒル、ばか!!」
「ん?俺バカだよ?」
「そういう、意味じゃ…!」
どこか話が噛み合わない会話をしながら、ヒルデベルトは、スノーホワイトの尻肉を左右に掴んで開く。
「こうした方が良いだろ?」
「うん、ありがとう」
「ぎゃあああああ!!ばかばかばかばか!!」
「イルミやエルにバカって言われると頭にくるけど、君にバカって言われるとなんだか嬉しい。不思議だね」
(なんなんだ、こいつら!普段は特段仲が良い訳でもないのにこういう時の団結力は!!)
剥き出しにされた蕾に、羞恥のあまりヒルデベルトを睨み上げ抗議の声を上げるが、蕩ける様な笑顔で「可愛い」と言われちゅっちゅと唇に口付けられるだけだった。
「ヒルのばかぁ!」
「バカでいいよ。スノーホワイトのその顔、とっても可愛い」
「ばかばかばかばかっ!!」
「えへへ、好き」
「ばかばかばかばかばかばかばかばかっ!!」
、ワンコの胸をぼかすか叩いてみるが、彼のそのにやけ面はますます蕩けるばかりで、ダメージらしき物は一切与えられてはいない様だった。
非力な女の体の不自由さを改めて感じる。
「うわ、なんかムカつく…」
そんな事をやっていると不機嫌な色を隠さずにエルヴァミトーレはぼやきながら、ヒルデベルトの手により剥きだしの蕾に触れる。
「僕の事も構ってってば」
「―――っ!」
そのまま入り口を、指の腹で撫でる様にして弄られる。
妙ににゅるにゅるしているのはさっきの生クリームが塗られているからだろう。
「こっちの初めては義兄 さんに捧げたんでしょう?」
「ひぅっ!?」
大きく広げられた双臀のあわいにつぷんと入れられた指に、思わず前のヒルデベルトにしがみ付く手に力が入った。
「なんで僕と出会うまで待っててくれなかったの? 悔しい」
「あ……あ、お尻は、やぁ…ん! だ、だめぇ……」
そっちの処女を奪ったのは正確にはイルミナートではなく淫蕩虫なのだが、別にわざわざ訂正する事でもないので俺は黙っておいた。
自分のアナル処女を奪った相手が男か虫か、……うん、どちらにせよ嫌な事に変わりはない。
「お尻で気持ち良くなっちゃうなんて、本当にスノーホワイトはいやらしい子だね」
「ッんぁ!…あっ、ひっ、ぅ…………ぃっ、ぁ!」
「じゃあ俺はこっちをほぐしてあげるね!!」
「ふっ、ぁん!……待っ、て、むりっ、むり……っ!」
ヒルデベルトが下に伸ばした手が秘裂の奥に侵入し、思わずその刺激から逃れようとした瞬間、体が崩れ床の上で膝立ちになってしまう。
しかしそれが良くなかった。
ガタガタ震える膝に、テーブルの上で座っていた方がずっと楽だと思った。
そしてこの体勢はまずい。
―――サンドウィッチの様に挟まれて、逃げられないのだ。
スノーホワイトの体が出来上がってきた事に気付いたらしいエルヴァミトーレは後孔から指を引き抜いた。
指を抜かれる時も気持ちが良くて、びくんと背中が海老反ってしまう。
「そろそろ良さそうだね」
「あっあ!……は、ぅんん、や、もう…もうっ! や、ッだ……!」
「あれ。スノーホワイト、この体位好きだっけ?」
「好きだよ、さっきもこの体位でしたもんね?」
「や、やだ……ぁ!……すき…じゃ、……な、ッぃ!」
「そっかぁ、スノーホワイトが好きならこの体位でヤろうか?」
(人の話を聞け、お前等!!)
こうやってこの体位で抱き上げられて、前から、後からつっこまれると逃げられない。
ヒルデベルトは改めてスノーホワイトの背に腕を回し、抱きかかえた。
「ふぁ、ん! あ、あぁっ」
濡れた花芯といつの間にか露出していたヒルデベルトの硬い物がにゅぷりと擦れ合う。
「エル、そっちから先に入れてあげて」
「了解。ほら、スノーホワイトの大好きな物を挿れてあげるから、もっとお尻あげて?」
にゅぷ、……ズ、ズ、
じゅぷん
「っ!…ゃ、……あ、あ、あっ!」
後孔に侵入する熱の感覚に、ぶわっと涙が溢れた。
もうこの二人に散々ほぐされているので、痛いとか苦しいとかそういう事ではなかった。
びりびりと電流を流された様な快感が頭の上から爪先まで全身を駆け抜けて、その悦びから来る生理的な涙だった。
「入った、よ?」
「あ…あぁ……」
アナルまで開発済みとか、もう俺、お嫁に行けない…。
「エル、そのまま後から抱っこしてあげてね、俺はもうちょっとスノーホワイトの事を気持ち良くさせてあげたいから」
「ヒルもけっこう酷い事するよねぇ」
ヒルデベルトの企みに気付いたらしく、エルヴァミトーレはニヤリと笑う。
「何言ってるの、俺はただ俺達のお姫様に、俺達の事をもっと好きになって貰いたいだけだよ」
「や…やだぁ…!」
「大丈夫、大好きだから」
何故「やだ」の答えが「大好きだから」になるのか意味不明だ。
相変らずこの男とは意思の疎通が難しい。
ギラつくヒルデベルトの瞳は、可愛らしいワンコの物ではなく、獲物を追い詰めた猟犬の物だった。
飼い犬に手を噛まれた所か、首筋をガブリとやられた感覚に陥い軽い眩暈を覚える。
―――これ程までに、このワンコの飼い主である王子様と調教師の眼鏡の帰宅が待ち遠しいと思った事は未だかつてなかった。
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