4・もういらね、ワイルドベリーは甘すぎる
私が以前食べたワイルドベリーってすっごい酸っぱかったんですが、甘い物もあるそうです。
「エル、落としちゃ駄目だよ、しっかり抱っこしててあげてね」
「言われなくても」
後からスノーホワイトの膝裏に手を入れて抱き上げるエルヴァミトーレが、不機嫌そうに答えながら抱え直すと、ぬちっと粘ついた音が立つ。
「ひ……んっ、」
肌と肌がぶつかる音と共に直腸内を抉られ、声が裏返えった。
嬌声を上げるスノーホワイトの正面に立つヒルデベルトは満足そうに微笑むと、膝を床に付いて剥き出しの縦筋を開く。
「スノーホワイト、もっと気持ち良くなろうね」
「いい!……そんな、の、…いい!」
「遠慮しないで!俺、がんばるから」
(だから頑張らなくて良いってば!!)
俺の心の声も虚しく、ヒルデベルトは花溝にあるスノーホワイトの乳首と同じ硬さの尖りを口に含んだ。
「ッん、ぅ、あ、あ、ぁあああ……っ!」
腰から痺れる様な感覚が全身に駆け抜ける。
奴の口唇愛撫から逃れようと身を捩れば捩る程、裏の小さな花弁に奥までずっぷり喰い込んでいるエルヴァミトーレの肉にグリグリと腸壁を抉られ、目の前が真っ白になる。
女体になって複数プレイを経験して初めて知ったのだが、アナルを刺激されて気持ち良いのはどうやら前立腺のある男だけではなかったらしい。
後孔にみっちりと男の肉が埋められると、肉壁ごしに隣接した膣と子宮にもダイレクトに刺激が届くのだ。
最初は少々痛いのだが、その感覚は次第に麻痺して徐々に気持ち良くなって来る。
灼けるように熱い肉で何度も穿たれ、奥を乱暴に搔き回されていると、内臓をグチャグチャ搔き回されている様な違和感を感じるのだが、それが次第に快楽に変わって行く。
生あたたかい波に揺られているような陶酔感に、抵抗する気も失せて来た。
「いや、いやぁ……ひっく、ぅぅ……っ」
それでもいやいやと子供の様に被りを振ってみるが、スノーホワイトの情欲に濡れたその声は、砂糖を煮詰めて蕩かして作ったカラメルソースの様に甘い。
「こら、逃げないで」
「う、ふぇぇ……っ、やだぁっ」
いやいやするスノーホワイトを叱る様に、エルヴァミトーレが改めて後から抱え直すと、また熱杭がにゅちっと淫猥な音を立てて腸壁の奥深くに突き刺さった。
「―――っ!?」
子宮と直腸の奥に届いた熱に、ボロボロと生理的な涙が溢れ出す。
本来ならば排出するべき器官に挿入されている異物に反応し、愛液の様に中から溢れて来た腸液がさっき二人に塗りたくられたクリームや、唾液といやらしく混じり合う。
エルヴァミトーレと繋がってる部分がぐちぐちとますます卑猥な音を立て始めた。
気持ち良くて涙も声も止まらない。
持ち上げられた脚の先では、折れた膝の下でいつしかピンと伸ばされたスノーホワイトの爪先が、高ぶる熱からの解放を求める様にビクビク痙攣している。
「っぅ…ん、はぁ……は、あぁっ…」
「スノーホワイト、そんなキツク締められたらつらい」
熱い吐息を漏らしながらエルヴァミトーレに首筋に吸いつかれる。
そのチクリとした痛みに、エルヴァミトーレに揺さぶられながら「またキスマークをつけられたのか」と思った。
今はその痛みすら甘美に感じた。
「んっと、こっちも一緒の方が良いんだよね?」
そしてヒルデベルトはと言うと、合わさった花びらの上にある小粒を嬲っていた。
一見荒っぽく見える指の動きだが、ここ連日の濡れ場でこの男も大分女の扱い方には慣れたのだろう。緩急を心得た嬲り方になっている。
「ここだっけ?」
「や、そこ!………ひる、ッぅ…っ!」
挿しこまれた指は、迷いなくスノーホワイトの弱い部分を探り当てる。
後に埋め込まれた熱がある状態で、蜜壷のお腹側の良い部分と花芯を刺激されれば、もう正気ではいられなかった。白く霞みだした視界の端でチカチカと何かが弾ける。
「ひ、あ…!ん、っく、ぅ……うっ、ああぁ!」
「みっけた、ここだ。ここ好きなんだよね?俺、がんばるから!」
頑張らなくて良いと頑なに首を横に振り続けるが、この男、相変らず人の話を聞かない。
硬くなっている花芯を舌先でなぶりながら、淫花には指先で抽挿を繰り返す。
剣の修行で出来たのであろうと思われる、剣たこが出来た角ばった指の抽挿に、自分でも気づかないうちに口を半開きにし、はあはあと荒い息を吐き出していた。
意識がひどく朦朧としていて、体の力はすっかり抜けて弛緩していると言うのに、良い部分を弄くられていると体が自分の意思に反して大きく跳ねる。
熱いとろみの量はどんどん増えて行き、卑猥な水音を奏でだす。
「スノーホワイト、気持ち良い?」
「う…んっ、きもち……いい…よ…?」
「良かった」
素直にこくりと頷くとヒルデベルトはとても嬉しそうに微笑んだ。
事実、とても気持ち良かった。
それにここで頷いておかなければワンコはもっと”頑張る”だろう。それならば男を立てておいた方が良いと思った。
「ヒル…、」
「ん?」
納得出来ない物も少々あるのだが、――…散々煽られて体が高ぶってしまってはもう、俺も素直になるしかなかった。
この体の熱も、疼きも、男の物でしかもう発散出来そうにない。
後だけじゃない、前も熱いもので埋めて満たして欲しい。
「ヒルが、ほしい……いれ、て…?」
ヒルデベルトは腕を組むと「うーん、うーん、うーん…」としばらく真剣に考えた後、「駄目!」ときっぱり言い切った。
「なん…で?」
涙目で訴えると、彼は困った様に眉を寄せながらスノーホワイトの一番敏感な部分に指で触れながら言う。
「スノーホワイトはまだここでイってないでしょ?」
「あ、ぅっ!」
今まで被せたままだった苞をいきなり全て剥かれる。
鋭い感覚の塊が根元まで外気に曝されて、そのヒリヒリとした感にギュッと目を瞑った瞬間、身を隠す物が何もなくなった過敏な尖りをピン!と指先で弾かれる。
「よくわからないけど、……王子やイルミのやってるのを見てたら、ここでイかせてからの方が君は良いみたいだし」
「そんなの、い……ひぁ…っ、あ、あああぁああっ!!?」
おい待てワンコ。
そんなの真似するな、真似する必要はない。
「だからここで一回イっておかなきゃ駄目だよ?」
「っん、…ッあ……あっあん! だ、め、……だめぇっ!!」
「ここで沢山気持ち良くなってから挿れてあげるよ、じゅんばん、じゅんばん」
「だめ…!イク、イク、……あ、あああああああああああっ!!!?」
視界が真っ白になった瞬間、体の奥で何かが弾けた。
ずっとおしっこを我慢していた時の開放感と脱力感に似た感覚に、体の力がふわりと抜ける。
生暖かい物が秘所から溢れ、びちゃびちゃと床に何かが零れる音に我に返った。
(また…潮吹いた。信じらんねぇ…。)
駄目だ。これ、気持ち良すぎる。
良い年齢して漏らしてしまった様な複雑な心境になるが、駄目だこれ。潮吹きやばい。
「あはは!たくさん出たね!」
顔にかかった透明な液体を拭いながらヒルデベルトは上機嫌な様子で笑う。
達した感覚に脱力していると、未だボタボタと生暖かい液体が漏れる尿道に吸い付かれ「ひっ」と喉から小さな悲鳴が上がった。
「や…だぁ、…そんなの、舐めないで…!!」
「なんで?とっても美味しいのに」
「ば、ばかぁ」
本当に不思議そうに返しながら、ヒルデベルとはまたそこに口付けて、徐々に零れる量が少なくなって行くソレを惜しむ様にペロペロと舐め取った。
ばかばか言いながらそんなワンコの頭をぼかすか叩いていると、後でごほんと咳払いをする音がする。
「ヒル、もういい?……そろそろ僕もつらいんだけど」
そうだ、何だかんだで中と外で2回イったのだ。
後は前よりも締め付けられる力が強いらしいし、彼も辛いだろう。
ヒルデベルトがスノーホワイトの陰核を口唇愛撫をしている間、彼はずっと腰を動かすのを我慢していた。
後孔に埋めこまれたエルヴァミトーレの熱が、今にもはち切れんばかりに膨らんでいる。
「動かないのがつらいの?それともスノーホワイトを抱っこしてるのがつらいの?」
「……ヒル?」
笑顔のまま顔を上げてそう言い放ったヒルデベルトの言葉に、キッチンの空気が凍り付く。
背後のエルヴァミトーレの表情は見えないが、あまり穏かとは言えない空気が漂っていた。
「冗談だよ、そんなに怒んないでよ」
エルヴァミトーレは自分の体力があまりない事や、自分の筋肉がつきにくい体質も実は気にしている。
ドSモードのエルを思い出して怯える俺に、ヒルデベルトは甘やかな微笑を浮かべながら腕を広げた。
「後の人は怖いね。スノーホワイト、こっちおいで、俺が抱っこしてあげるから」
俺が腕を伸ばす前に、立ち上がったワンコに前から抱き寄せられた。――そして、
にゅぷ…、
じゅぷぷぷっ…!
「ひゃぁ…っあ……ん…あ、あぁ…あああああ!」
前から抱きかかえられた瞬間、とろりとした花蜜で濡れそぼっている花弁を搔き分けてヒルデベルトの熱が一気にスノーホワイトを貫いた。
「はい、抱っこ」
ぎちぎちと自分の分身をスノーホワイトの最奥まで捻じ込むと、満開の笑顔になってキスを求めて来るワンコの横面を引っ張り叩きたい衝動に襲われながら、俺は奴を睨む。
「抱っこだけじゃ…ない……っ!!いれるって、きいてな、い!」
「ん?あ、ごめんね、そう言えば挿れるって言ってなかったね」
「いきなり、いれるなんて…ひど、い……っっ!!」
「うん、ほら、入ってる。スノーホワイトが欲しいって言ってたの、ちゃんと、俺、いれてあげたよ?」
「っぁ…ひぅ……っや、やぁっ…ん!」
緩く腰を動かしながらヒルデベルトが笑う。
分かっててやっているのか分からないでやっているのか、どっちにしろたちが悪い事には変わりない。
ニ穴にぎゅうぎゅう詰めこまれた物に、おののき甘い悲鳴があがった。
「気持ちいいね、スノーホワイト?」
そんなスノーホワイトの様子にエルヴァミトーレは耳元くすりと笑いながら、ガクガク震えるスノーホワイトの腹を手の平で撫で回す。
その怪しい手付きに嫌な予感が脳裏を掠めるが、その裏切らずエルヴァミトーレはぐぐっとスノーホワイトの下腹を押した。
「ひっぁ、あ、――ん…あ、ああぁあああああ!!」
「ふふ、お腹は大丈夫?」
―――押しておいて何が大丈夫だ…!!
嬌声と言うよりは、苦鳴じみた物がスノーホワイトの喉奥から漏れる。
「もうお腹いっぱい、なんて事はないよね? もっと僕達が欲しいよね?」
「あ……やぁ…いらな、いっ」
お腹をこうして押されると膣の後壁や子宮の裏側付近に、中に挿入されている2本の肉がめり込んで、腰だけではなく、全身がガクガク震え出す。
(だめ、だ、またイク……っ!!)
「やだぁ…やだ……っ!おなか、おさないでぇ……っ、」
「なんで?」
「くるし……だめ、だめ…!うぅ……っ!」
「……エル、これ、俺もつらい」
「スノーホワイトがこんなによがってるんだから、少しくらい我慢しなよ」
「う、うん。……エルはいじめっ子だね、意地悪だね、スノーホワイト」
「ヒル、何か言った?」
憎まれ口を叩き合う二人の間でスノーホワイトの胸が鞴の様に上下する。
息も途絶え途絶えで苦しげな息遣いではあるが、二人がやめてくれないのは本気で嫌がっている様には聞こえないからだろう。
何故こんなにも悦びが駄々漏れになった甘え声に聞こえるのが、俺も毎度の事ながら不思議に思う。
スノーホワイト本人にもそう聞こえているのに、男達にそう聞こえない訳がない。
「やだぁ、……もう、やめてぇ、床に降ろしてぇぇっ」
「もう。こんなに僕のを離したくないってキュウキュウ締め付けてる癖に、スノーホワイトは嘘つきなんだから。……嘘つきは、たっぷり、お仕置きしてあげなきゃね」
エルヴァミトーレが舌舐めずりしながら腰を突き上げる。
「ひるぅ……っ!エルが、エルが、いじめ、る……っ!!」
「んっ、エル、あんまりスノーホワイトをイジメちゃ、駄目だって。もっとさ、やさしくしてあげようよ。女の子なんだから、やさしく、……ね?」
その優しい言葉に期待の眼差しで顔を上げるが、すぐに俺の顔は引き攣った。
優しい言葉とは裏腹にヒルデベルトの目は嗜虐の色で満ちている。
獣性むき出しのそのギラギラした瞳に腰が引く。
「……そうだ、ね、僕達の大切なお姫様だものね。――…やさしく、やさしく、してあげよう、か……っ!」
しかしそんな後に引いた腰をエルヴァミトーレが背後から乱暴に掴み、荒々しく己の劣情を突き立てる。
「っん、ひぁ…っ、やあ……ん!…奥、奥が…、っ!!」
「なに。ああ、もっと奥がいいの、ここ?」
「そっか奥かぁ、俺、もっとがんばる!!」
ずりゅっ…!!
にゅちっ…!!
黒い笑顔で笑う二人に同時に深く奥を抉られて、一瞬意識が飛んだ。
「ちが、ちが……っうん……、あっあぁあんっ!!」
「うーん。スノーホワイトはあんあん言ってるだけだし、何を言ってるかさっぱり分からないねぇ」
「だね、取りあえずスノーホワイトがイイ奥をたくさん突いてあげようね」
(こいつら…!!)
ニヤニヤ嗤いながら言うこいつらは絶対分かってやっている。
(終わったら絶対殴ってやる……!!)
二人に啼かされながら、俺はそう心に固く誓った。
「あっん、…っあ……ん…! い、イク…また、イク……っ!」
「スノーホワイトは本当に二穴攻めが好きだねぇ」
「うん、気持ち良さそうだし、頑張り甲斐があるよ」
「違っ! ばか、ばかぁ……っっ!!」
ヒルデベルトは何かの剣技の様に、白刃で真っ直ぐ貫く様に、ただひらすら鋭く突いて来る。
エルヴァミトーレと言えば出入口付近を浅くこすったり、根元まで収まるように深く突き入れたりて、キスだけでなくこちらもやはりねちっこい攻め方がお好きな様だった。
最初はゆっくりと慣らす様に動いていたが、スノーホワイトの体が慣れてきた事に気付いたらしい二人は徐々にスピードを上げて行く。
先ほどよりも強く、深く、前から後から深く打ちこまれていると、またしても体が高ぶって行き、幾度目かの絶頂の予感に体が震える。
突かれる度に跳ね上がるスノーホワイトの身体を、二人は前後から押さえこむようにして、腰を叩きつけ、己の熱で抉り続けた。
二人に腰を支えられてはいるが、しっかりと前にいる男にしがみ付かないと、体の重心を支えるの物が二本の肉棒だけと言う恐ろしい体位に、俺は前のヒルデベルトに力の限り抱きつくしかない。
それが面白くないらしいエルヴァミトーレは、深々と打ち付けた物をわざと先端ギリギリまで引き抜いて、また一気に奥へと貫く。
「―――っ!?」
重たい水音と肌がぶつかる激しい音が響き、チカチカと目の前で白い花火が散る。
スノーホワイトの伸ばしきった爪先がまたびくびく跳ねた。
(イク……!!)
「い、イク…イクの、また、いっ、イク、いッ…やぁああああああ……っ!」
「うわ、きっつ……!」
「んっ、すごい……!」
しかしスノーホワイトが達しても二人の腰の動きは止まる事がなかった。
更に激しくなる二本の肉杭の抽挿に、思わず切羽詰った形相になってしまう。
「ま、待って、ほんとうに! いま、イったの、イったから…!!」
「はあ……はあ…っ、そんなの、わかってるよ、っ?」
「うん、そうだね、イったね、今イったね!でも、もうちょっとがんばろうね、がんばろうね、スノーホワイト……っ!」
(嘘だろ……?)
「やだぁ……あっああ、や、やぁ……っ!」
髪を振り乱しながら叫ぶが「イったからだから何?」と容赦なく攻め立てるエルヴァミトーレに、励ましながらも後の男と競い合う様に激しく腰を打ち付けるヒルデベルト。
―――頑張れと言う位なら少しくらい休憩させろ!!
「いやだ、もうがんばりたくな…い!!」
「大丈夫、がんばれるよ、がんばれる、最後までがんばろう……!!」
「だから!がんばりたく、ないんだって……!!」
「うん、それでもだいじょうぶだよ、……おれ、君のこと大好き、だから!!」
「意味わかんねぇ!!」
思わず素に戻って叫んでしまった。
しかしついつい男言葉に戻ってしまった俺に二人は何も感じないらしく、行為を中断する事もなくそのまま腰を打ち付ける。
「すき、好きだよ、スノーホワイト、好き、大好き」
「でも……っ!おなか、いっぱいで、……ナカ、あつく、て、……ふぁ、あ、あ、やぶけちゃう、よ……っ!!」
意外に分厚いヒルデベルトの胸板をぼかすか殴って猛抗議する。
ちっと背後から聞こえた舌打ちに、エルヴァミトーレがそれをイチャイチャしていると勘違いしたらしい。
「安心してスノーホワイト、このくらいじゃ破けない」
彼は後からスノーホワイトの腰を掴んでいた手を滑らせて、胸の先端をぎゅっと摘まむ。
「……っ!?」
びくん、と声も無く首が仰け反った。
(今、乳首でイった……?)
達した悦びか、スノーホワイトの頬に涙がまたボロボロと零れ落ちる。
しかしそれでも二人の男は止まらない。
「……やだっ、も、いやだ……あ、ああっ!」
「もうちょっとだよ!もうちょっとだから、がんばるんだよ、スノーホワイト……!!」
「早くイケよ!!……もう、無理だってば!!」
「いいこだから、ね…!がんばろう、がんばろうね、がんばったらもっと悦くなるから…ね…!!」
「だめ!……ま、また、イク、イっちゃう……っ!!」
「はあ、はあ、僕も、もう、…………っ!」
―――そして俺は、もう本日何度目かも分からない絶頂を迎えた。
今度はスノーホワイトが達したのと同時に、二人も達してくれた様だった。
中で吐き出される熱い物に、ほっと安堵の息が漏れる。
スノーホワイトの左右の肩に前後から頭をのせる様にして顔を伏せ、荒い息を吐く二人の肩が上下するのを放心状態で見守った。
(終わった…)
しかし俺が安堵の息をつくのはまだ早かったらしい。
二人は顔を上げると、発情した雄特有の正気と狂気の狭間の色をした瞳を細めて微笑んだ。
「今のとっても良かったよ、スノーホワイト」
「うん、だからもう一回がんばろうね?」
「え゛……?」
―――その日、俺は10代男子の底なしの性欲の恐ろしさを知った。
*****
―――逃げよう。
目が覚めてまず一番最初にそう思った。
ちんぽやだ。ちんぽこわい。
もうちんぽなんかいらねぇよ、俺、もう一生分ちんぽ喰ったわ。もう腹いっぱい。このままじゃ真剣にまずい。色々まずい。――…いい加減逃げなければ絆される。
―――女の子の様に可愛い顔してても、無邪気系ワンコキャラでも男は男でしかなかった。
俺もう男はいいわ…。
「おちんぽしゅごい♥」「おちんちんだいしゅき♥」と思う夜もあるけれど、でも俺、やっぱり女の子の方がいい。
ちんぽついてなくていい。可愛くなくてもいいから女の子が良い。女の子の方が絶対良い。
あの後は本当に散々だった。
あの二人にズコバコ犯されている所に王子と眼鏡が帰宅し、当然の如く彼等は自分達の留守中に抜け駆けをしたあの二人に激怒した。
しかしヒルもエルも彼等なりの言い分があるらしく、男達の前戯なき戦いが始まった。前戯なき戦い――…つまり即尺即ハメ即攻めの三拍子と言う、AVのタイトルにでもありそうなプレイである。
その後の事は、……正直あまり思い出したくない。
いや、双方の言い分も双方が怒る気持ちも分かる。分かるのだが、しかし何故その怒りの矢印が俺の方を向く…。
そもそもさ、元はと言えばさ、なんで俺がこいつ等に毎日犯されてんの…?
今更感はあるが、一体何がどうしてこうなった。
最近は何故か一人1日1回は義務化している。
つまり最低でも俺は1日4回男と犯らなければならない。
確かに奴等とのセックスは気持ち良いのだが、事後、賢者タイムに突入すると言いようのない怒りやら虚しさやら自己嫌悪やらが津波の様にドドドッと押し寄せて来て欝っぽくなる。
もう無理です。
まんこ擦り切れる前に俺逃げます、さようなら。
翌日の早朝、「探さないでください」と言う書置きをテーブルの上に置き、俺はログハウスを出た。
今度は何本か猟銃をパクったし、まあ、スノーホワイトの細腕でも狼くらいなら何とかなるだろう。
先日妖魔に会ったばかりなのだ。
余程の不運に見舞われない限り、そう立て続けに森で魔性に出くわす訳がない。
チュンチュン、
朝鳥の囀りに顔を上げる。
朝靄の立ち込める闇の森の空気は白く、どこまでも澄み切っていた。
その新鮮で冷たい朝の森の空気を肺いっぱいに吸い込む。
なんだか今日はとっても良い事がありそうだ。
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