『Shirayukihime to 7 Nin no Koibito』to iu 18 kin Otomege Heroin ni Tenseishiteshimatta Ore ga Zenryoku de Oujitachi kara Nigeru Hanashi chapter 27

6・赤ずきんちゃんと秘め事
「本当に濡れてる」

 このままでは手淫しにくいと思ったのだろう。
 エルザはくすりと笑いながら、スノーホワイトの腰を自分の上に持ち上げた。
 スノーホワイトの体が地面に横たわるエルザの上に乗っかる形で、双方の頭と足の位置が逆になる。

(こ、これは……!!)

 シックスナイン!!?

 可愛い顔してる癖にオッサンみたいなねちっこいプレイするな、この子も!!
 これ絶対若い子がする様なプレイじゃないだろ!!? 

「そのまま続けて」

 エルザはそう言って、下からスノーホワイトの鼠径部の窪みをなぞると、下腹にある小丘を指で拡げて見せた。

「凄い、本当にびしょ濡れだね。なんでこんなに濡れてるの?ドライアド達に悪戯されたから?それとも僕のがそんなに良かった?」 
「っは、ぁ、や、待っ……て!」
「それとも君はああやって沢山の人に見られると燃えちゃうタイプ?」
「ちがっ、……ん……ッんん、ふ、……は、ぁ、」

 意地悪な事を言いながら、エルザはスノーホワイトの剥きだしの秘裂をゆっくりと指でなぞり上げる。
 思わずひっと喉が引き攣り、咥えていた物を口から離してしまった。

「……いや…、そんな、こと、されたら……っ、うまくできな、っ……あ!!」
「うん、歯、立てないでね」

 イラマチオの時も思ったのだが、ここで歯を立てるとか立てないとかそこまでの配慮ができる奴っているのだろうか?
 自分が女側になって奉仕する側の立場を経験して、なんとも恐ろしいプレイだと実感した。

「だめ、そん…な!……ぁ……っんん!!」

 エルザの顔のある方を振り返って抗議するが、彼は我関せずと言った様子で中の肉の合わせ目をも指で割り、奥の肉の洞まで暴きだす。

「綺麗な色だね、とっても美味しそう」
「やっ!エルザ、そんなとこ、見ないでっ!!」
「恥ずかしいの?……困ったなぁ、本当に可愛い」
「な……っ!」
「もっと恥らってみせてよ? 君の恥らう姿、僕とっても好きみたいだ」

 よがるスノーホワイトを嗤うように、彼はくすくすと笑いながら蜜壷から溢れる花蜜を舐め、濡れた花弁をその愛らしい唇で啄ばむ。

(だめ……だ…)

 元々敏感なスノーホワイトの体が、先程ドライアド達の手により何度も強制的に達せられた事もあって、更に敏感になっている。
 そのせいもあってエルザのこの甘い刺激にビクビク反応し、体が言う事を聞かなくなってきている。
 物足りない反応に理性の糸が今にもプツリと切れてしまいそうだ。
 少しでも気を抜くと、彼の顔に陰部を擦り付ける様にして降ろし、腰を振りたがっている自分の衝動に気付き唖然とする。

「スノーホワイトのここ、舌だけじゃ足りないってヒクヒク言ってる。自分でも分かる?」
「わかん、なっ……ん、っんん……!」
「もっと奥に欲しいって、ほら、僕の指を飲み込もうとしているよ? スノーホワイト、君みたいなはしたない子に僕は産まれて初めて会ったよ。女の人って怖いなぁ、君の様な清楚な顔をしてる子でも、一皮剥けばこんな風になっちゃうんだもの」
「そん、な……は、ぁっん」
「それとも、君が特別なの?」

 二本そろえた指をとめどなく愛涎をたらす秘口につぷんと挿し込まれる。
 待ち焦れた刺激に、悦びで背筋がしなった。

「でも、僕もどうやら悪趣味みたいでね。昼は淑女 夜は娼婦。そんな君の二面性が好ましい」
「なに……を…」
「ひとたび触れれば即座に反応する感度の良い体に、蜜の様に甘い声。愛欲で濡れる瞳はぞくっとするほど艶かしい。……不思議だな、今まで出会ったどの女の子よりも君に女の色香を感じるよ」

 指で抽挿を繰り返しながら、エルザはちゅっと甘い音を立ててスノーホワイトの一番弱い部分に吸い付いた。

「ッああ!」
「知覚神経終末で、性感を得る陰部神経小体が外陰部の皮下組織内に散在する為、特に陰梃の刺激に女性は弱いと本で読んだ知識としては知っていたけれど、……ふぅん、やっぱりそうなんだねぇ」
「っひ、あ!あぁ!や、やだ、まって……!」

 この子、クリトリスペロペロしながら何だか変な事言ってる!!何だか難しい事言ってる!!

 何と言うかまたと言うか、どうやら俺はまた男の童貞を奪ってしまったらしい。
 童貞喰いのアキーラホワイトとでもこれから名乗ろうか。

「ここを弄ると中に挿れてる指を締め付ける力が強くなるんだね。スノーホワイト、ここ、気持ちがいいの?」
「んっ…う、ん、……きもち、いいっ」

 駄目だ…クリトリスはどうやらスノーホワイトのやる気スイッチ的な物らしい。
 ここを弄られると、どんなに抗おうとしてもビッチホワイトモードに入ってしまう。
 エルザは次に秘唇から少しはみ出た赤い舌を唇で挟んでチロチロと舌で舐めて愛撫しながら、スノーホワイトの花芯を指でくにくにと弄くる。

(それにしても上手いな!なんなんだこの世界の童貞は!!畜生!!)

 エルザから与えられるその快楽にスノーホワイトはもう、ただ喘ぐ事しか出来ない。
 そんなスノーホワイトにエルザは嬉しそうに笑った。

「可愛いなぁ、もっとたくさん啼かせてあげたくなるよ」
「ひゃん!あっあん!ぅ、んく、ん、あっ!……うぅ、え、エルザ」
「エルザじゃなくてエルヴァ。エルヴァミトーレ。――ね、エルって呼んで、スノーホワイト?」
「っひぅ、あっあぁん!」

 どこかで聞いた事のある名前だなとは思ったが、今はそれどころではなかった。
 キュッと花芯を抓られてその悦さでボロボロ涙が溢れ出す。

「エルって呼んで?」
「ん、っんん……え、エル!」
「なに?」
「や、そこ、や、やさしく、して…?」

 涙をポロポロ零しながら彼の顔を振り向いて言うが、彼は狡猾な猫の様な笑みを浮かべた。

「どうしようかな、スノーホワイトはさっき僕に優しくしてくれなかったじゃないか。僕はあんなにイかないで、そんなに締めないで、痛いって言ったのに、……君は何度イったか覚えてる?」
「っ――! っごめ、ん、……ひあ!あ、あぁっ!」

(それは不可抗力ですーっ!!)

 やっぱり根に持ってたー!!?

「だか、ら、それは悪かったって……っ!!」

 嗚咽を零しながら必死にエルザの物に奉仕すると、彼は小さく息を吐いた。

「……でも女の子を虐めるのは良くないもんね、いいよ、優しくしてあげる」
「きゃう!っぅあ、ああっ、も、もう……!」

 心得た様に花芯を擦り上げられて、俺は慌ててエルザの物から口を外す。
 駄目だ、これ以上続けられたら絶対歯が当ってしまう。

「スノーホワイト、お口がお留守だよ?また自分だけ気持ち良くなるつもり?」
「だ、って、あっああっ」
「駄目だよ、ちゃんと僕の事も満足させて? ずっと我慢し通しだから、いい加減、そろそろイキたいんだ」
「ふ、ふぇぇっ」

 この鬼畜ショタ!!この状態でイラマ続けろってか!?

 さっさと口に咥えろとでも言う様に、エルザはズキズキとうづきたつ神経叢を叱る様に荒っぽい指の動きで攻め立てる。
 包皮を剥かれ鋭い感覚のかたまりとなったその場所をぐにぐに弄られると、喉から絞る様な声が漏れ、腰をビクビクと跳ねた。
 手でしごいているだけだったエルザの陰茎を慌てて喉に咥え直し、必死に頭を上下する。

(は、早くイってくれ……これ以上は本当に厳しい…っ!!)

 絶対に歯、当る……っ!!



 ボロボロと零れた涙はエルザの鼠蹊部の窪みに溜まって行く。
 この涙がエルザの舌技と手淫から来る悦びからなのか、それとも喉奥まで咥えた陰茎による酸欠からなのか分からなくなって来た頃の事だった。

「イイ…イクよ、スノーホワイト……」

 上でも下でも抽挿の動きが早くなって行った数秒後、生温かい液体が口の中いっぱいに広がった。
 彼の物を噛まずに極めさせた事に俺は肩で安堵の息を吐き、脱力する。
 口の中に広がるエルザの味は俺の良く知っている味で、イチゴ練乳風味でない事を少し残念に思いながら、そのままいつのも癖で飲み干した。

 そんな俺にエルザはかなり驚いた様だった。

「飲んでくれたの?あんなの吐き出してくれて良かったのに。……ごめんね」

 そう言って申し訳なさそうな顔で、よしよしとスノーホワイトの頭を撫でるこの少年は鬼畜なのか鬼畜ではないのか。
 いや、まだ経験が浅いだけでエルザに鬼畜の素質があるのは確かだ。

 絶対コイツ、その内、ザーメンゴックンは義務とか言い出す男になるぞ。

 この俺ビッチホワイトが賭けても良い。

「ねえ、エル…」

 まだぼーっとした頭のまま、まだ萎えていないエルザの若い陰茎をきゅっと握った。
 散々焦らされた体が熱を帯び、ジンジン言っている。
 彼の陰茎を己の秘所にあてがい、こてりを首を傾げるとエルザは息を飲んだ。

「じゃあ次は私にご褒美をちょうだい?」
「スノーホワイト、本当に君は…」

 くしゃりと顔を歪めて笑うエルザが何を思ったかは分からない。
 彼はそっとスノーホワイトの肩に手を置いた。
 「あれ、キスされる…?」と思いながら快楽で蕩けた頭で、恍惚と目を伏せたその時の事だった。

「おーい、スノーホワイトー!!」

 そう遠くない場所から聞こえてきた声は、すっかり忘れていたワンコ騎士ヒルデベルトの声だった。

「げっ」
「うわ」

 スノーホワイトとエルザはパッと離れると慌てて身繕いをはじめる。

「ヒルだ、ああ、どうしよう…!」

(すっかり忘れてた…。)

「まずい。……急用を思い出した!またね、スノーホワイト!」
「エルザ?」

 エルザは服を調えると、脱兎の如くその場から立ち去った。

「え……そんな…」

(これって……ヤリ捨てされたって事だろうか…。)

 いや、可愛い男の()相手だし、俺も楽しかったんだけど……なんだ、これ。なんか切ないわ…。

 何だか泣いてしまいそうだ。

 中出しはされてないけど、ドライアド達が居た時は生でやってるし。
 いや、一応あれから鬼畜宰相に渡された避妊薬を飲んでるから妊娠する心配はないんだけど、……なんなんだろう、この虚しさ。

 発散しきれていない体の熱と初めて経験する物悲しさに戸惑いながら、近付く気配に慌てて服を直す。
 ドライアドに切り裂かれ、地面に落ちていた裂かれた下着はどうしようか迷った挙句ポケットの中に突っ込んだ。

ガサリッ

「探した探した!こんな所に居たんだね!」

 何故かボロボロの姿で現れたヒルデベルトに意表をつかれる。

 ヒルデベルトの服は泥だらけで至る所に穴が開き、穴から覗く素肌には擦り傷まであった。
 頭には木の葉が付いているし、背中のマントは裂けて半分以上裂けている。恐らくどこかに引っ掛けて破れたのだろう。
 そんな彼の姿に、体の熱も切ない胸の痛みも一気に吹き飛んだ。

「はい、どうぞ」

 ヒルデベルトがスノーホワイトに差し出したのは、花だった。

 その花には見覚えがあった。――…さっきスノーホワイトが欲しいと指差した、あの花だ。

「これ……本当に、とってきてくれたの?」
「うん、欲しかったんでしょ?」

 そう言ってはにかむヒルデベルトの瞳は――、ああ、何故今気付いたのだろうか。ぽてとと同じ、黒みがかった蘇芳(すおう)色だ。
 褒めて褒めてとパタパタと動く犬耳と尻尾が見えた気がした。

(そうか、こいつぽてとに似てるんだ…。)

 スノーホワイトの記憶は俺にもある。
 勿論あの過去ムービーもだ。
 スノーホワイトの記憶は、俺がこの身で確かに経験して記憶達だ。
 勿論他人事の様に思えるエピソードもあるが、思い入れのあるエピソードもある。

 ぽてととの日々は、数少ない思い入れのあるエピソードであった。

「って、なんで泣いてるの!?あ、あわわ、ごめん、お花気にいらなかった?」

 胸に、今まで知らなかった温かい物が拡散されて行く。

 俺は前世、美人なのに自分に釣り合わない不細工や貧乏男と結婚する女の事を馬鹿だと思っていた。
 もっと良い男が狙えるはずなのに、そうすればもっと良い暮らしだって送れるはずなのにのに、あえて貧乏暮らしを強いられる様な男を選ぶ女は知的に問題があるのだとすら思っていた。 

(でも、今は彼女達の気持ちが少しだけ分かった様な気がする…。)

 こんな1円にもならないであろう1輪の花が嬉しかった。

 自分の為にあんな急斜面な崖を飛び降りて、ボロボロになりながらもヒルデベルトが取ってきてくれたこの花は、高価な宝石以上の価値がある。 
 客と同伴で行く銀座の良い店のでもいつも不満たらたらの顔をする癖に、本命彼氏とのデートは、マックでも汚いラーメン屋でも幸せそうな顔をするキャバ嬢の気持ちが少し分かった様な気がした。……って、別にこいつが好きとかそういう訳じゃないけど。

「ヒル」
「うん」
「また、一緒に畑デートしましょうね」
「うん!」

 いつしか夕焼け色に染まった空が、何故か優しく感じた。

「帰ろうか」

 差し出された手を躊躇いなく取って、夕焼け空の下、二人で手を繋ぎながら暗くなりゆく森の中を歩く。

「でもどうやって私を見付けたの?」
「ん?スノーホワイトは良い匂いがするから、どこに居ても匂いですぐに分かるよ?」
「ふふふ…ヘンなの。ヒルって本当にぽてとみたいです」
「……ぽてと?」
「ええ、私のお友達です。元気でやってるみたいで良かった。……また会いたいなぁ」

 足を止めたヒルデベルトに、後を振り返る。

「どうしたの、ヒル」
「いや、なんでもないんだ…」

 ヒルデベルトは今にも泣きそうな、でも嬉しそうな、何とも言い難い顔をしている。 

 彼は一瞬何か言いかけて、――…そして止めた。

「もしかしてとは思っていたけど。……スノーホワイト、やっぱり、君だったんだね」

 いきなりガバッと抱きつかれ、俺はしどろもどろになりながら答える。

「なっ何がですか?」
「俺がずっと探していた俺の運命の人!!」
「へっ?」
「スノーホワイト!好き、好き、好きっ!!」
「ちょっと、いきなりどうしたの!こんな所で駄目よ、ヒル!」

 いい加減そろそろ帰らなければ、日が暮れてしまう。
 ランプも松明も何も持ってきていないので、これ以上森が暗くなってしまったら色々まずい。
 足元がおぼつかなくなってしまうし、それこそまた狼の群れや、危険な魔性達と遭遇してしまう可能性だって出て来てしまう。
 狼ならまだしも、ヒルデベルトでも魔性相手はまずいだろう。
 と言うわけで、盛るヒルデベルトを宥めながら俺達は帰宅した。


******


「お帰り、灯りがなくて大丈夫だった?」
「遅かったですね、一体どこで道草を喰っていたのですか?」

 ワンコ騎士にほだされて、逃走する予定の男達の家にそのまま一旦帰宅した俺だったが、俺達二人を出迎えたのはアミール王子とイルミナートだけではなかった。

「お帰り、スノーホワイト、ヒルデベルト」

 心配顔のアミー王子と呆れ顔の眼鏡の間からひょこんと顔を覗かせる男の顔は、俺の良く知っている物だった。

 丈の長いコートのような衣装はアミール王子とイルミナートと同じタイプの、リゲルブルクで主流の男性用の衣服だ。先の二人の衣装よりも刺繍などの数は少なく一見地味に見えるが、そこそこ高級な布地をあつらえて作った服だと言う事はスノーホワイトにも分かる。
 彼の心臓の上にある、クロスした2本の剣と雄々しい獅子の国旗の刺繍はイルミナートの胸の物と同じで、リゲルの高級官僚を示す物である。
 確かその国旗を囲む刺繍の色と下部に引かれた線の数でその者の国内の地位を表すと言う話だが、流石にそこまではスノーホワイトの知る所ではない。
 ローブの下に見え隠れする胸の弾帯、ベルトに挿した短剣、細身のロングブーツと、男らしい格好をしているが顔はその格好にミスマッチな美少女フェイス。

 分からないはずがない。
 さっき別れたばかりのエルザだった。

「あれ、エル帰ってたの久しぶり!!」
「うん、久しぶり」
「エルって、え……えええええええええ!?」
「あれ、(シュガー)とは知り合いなのかエル」
「さっき森の中で会ったんだ、ね、スノーホワイト」
「え、え、えええる、える…」

 ストップとでも言う様に、エルザはスノーホワイトの唇を人差し指でツンと伏せる。

「自己紹介がまだだったね、僕の名前はエルヴァミトーレ。エルヴェミトーレ・シルヴェストル。今はこの通り、訳あってこの森に住んでいるんだけど、元々はリゲルで文官をしていたんだ」

(逆ハーメンバーだったああああああああ!?)

 何故気付けなかったのだろう。

 いや、ヒントはあったのだ。思い返せば沢山あった。

 彼が口ごもりながら名乗った名前がエルザだった時に気付くべきだった。
 いや、エルザのサディステックな微笑に鬼畜宰相の顔を思い出した時に気付くべきだった。――…この男はイルミナートの義弟で、奴と同じ血が半分流れている。

 女装を解くと――…ああ、どう見てもただの美少年です、俺の敵でしかない美少年です、本当にどうもありがとうございました。

「あ…ああ…あ…」

 俺の中のエルザとの夢の様な一時が、男の()ドリームがガラガラと音を立てて崩れて行く。

(ただの男じゃねぇか…。)

 必死にフェラしてイラマチオまでして奉仕していた、さっきの自分が馬鹿みたいだ…。

「これからよろしくね、スノーホワイト」

 差し出された手を見つめ半笑いしていると、勝手に手を取られて握られた。

「はい、握手」
「はは…あはは…」

 もう泣き笑いする事しか出来ない。

「ところで(シュガー)もヒルもなんでそんなにボロボロなんだい」
「それはね、崖から飛び降りたからだよ!」
「はあ?なんでまたそんな危険な事を…」
「ところで頼んでいた野菜はどうしたの?取ってきてくれた?」
「あ、ごめん王子、すっかり忘れてたよ!」
「今まで何やってたんですか、本当に…」
「いいよいいよ、食事ならキッチンにあるもので僕が適当に何か作るから。二人は湯浴みでもしておいで?」
「わーい!スノーホワイト!俺と一緒にお風呂入ろう!!」
「え…あ……ああ」
「こら、この駄犬。抜け駆けは許しませんよ」
「そうだよずるいよヒル、今日1日私の(シュガー)を独り占めしただろう?湯浴みは私が彼女と一緒にするよ」
「いえいえ、湯浴みの世話などと言う下女のする様な真似を王子にさせる訳にはいきません、不肖この私がいたしましょう」
「……イルミ。お前、家事の類は全く手伝いもしない癖に、こういう時だけ私を王族扱いするのはやめてくれないか」
「私は自分の得手不得手を理解しているだけですよ」
「ちょっとちょっと。僕一人に料理作らせておいて自分達だけ楽しむ気?そんな事するつもりなら夕飯作らないよ?」

―――逆ハーメンバーが、また1人増えてしまった…。

 くちっとクシャミをするエルヴァミトーレと目が合うと、彼は少し照れくさそうに微笑む。

 そういえばこの男、森の中でも何度かクシャミをしていた。――…言われるまでもない、エルヴァミトーレは Sneezy なのだろう。

「ところでなんで(シュガー)は下着を穿いていないの?ここもびしょ濡れじゃないか」
「……ヒルデベルト、まさかお前」

 呆然とエルザ――…もといエルヴァミトーレを見つめる事しか出来ないスノーホワイトの服は、いつの間にかちゃっかり王子とエロ眼鏡の手によって脱がされており、何故か割れ目までサワサワもみもみツンツンいじいじされている。

(半日会ってなかったけど相変らずだな…、コイツ等は…。)

「お、俺は何もしてないってば!!」
「ふーん、本当に?二人でそんな泥だらけの格好をしているし、外でちゃっかりしけ込んで来たんじゃないの?」
「この野良犬風情をスノーホワイトの番犬としてつけたのが間違いだったか。我々に拾われここまで育って貰った恩義を反故するつもりか、ヒルデベルト」
「本当に俺何もしてないってば!!王子、イルミ、目が怖いよ!!」
「じゃあスノーホワイト。あの3人は置いておいて、僕とあっちでさっきの続きでもしようか?」
「って、お前かよエルヴァミトーレ!!」
「エル……お前いつの間に」
「これだから面の皮の厚い妾腹は…」
「えー、酷いな義兄さん。僕は別にやましい事なんて何もしてないですよぉ、僕はただ、彼女が狼に襲われていた所を助けてあげただけです。その後ちょっとしたハプニングがあって、役得はありましたが。――…ね、スノーホワイト?」
「あ、ああ…あぅ…」

 それから始まった5pに、俺はワンコ騎士にほだされてここに帰宅した事を後悔した。激しく後悔した。


次ヒルエルコンビの3pです。
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Siti Dara

Hi. I’m Designer of Blog Magic. I’m CEO/Founder of ThemeXpose. I’m Creative Art Director, Web Designer, UI/UX Designer, Interaction Designer, Industrial Designer, Web Developer, Business Enthusiast, StartUp Enthusiast, Speaker, Writer and Photographer. Inspired to make things looks better.

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