『Shirayukihime to 7 Nin no Koibito』to iu 18 kin Otomege Heroin ni Tenseishiteshimatta Ore ga Zenryoku de Oujitachi kara Nigeru Hanashi chapter 57

恋人3、Sneezy
―――あの後、

 スノーホワイトが持参した怪しいバスケットの中身を改めさせて貰おうとすると、彼女は必死になって僕を止めた。
 しかしそんな事をされてしまうと、ついつい見たくなってしまうのが人情と言うモノで。バスケットの上で軽く結ばれている赤と白のギンガムチェックの布を解いた瞬間、僕の顔から表情が消え失せた。
 毒々しい色の禍々しい形をした張形(はりがた)や、目にしただけで背筋が凍りつく様な男性器専用の攻め具。前立腺を開発する為の物だろうと思われる性具や拘束具や香油等を、僕は無表情のまま一つ一つ手に取って確認する。

『……何これ』

 白い目付きで後を振り返ると、彼女は紙の様に青ざめてカタカタと震えていた。……どうやら僕はとても恐ろしい顔をしていたらしい。
 彼女のその絶望に満ち溢れた表情に確信する。

―――彼女は今夜、僕を犯すつもりでここに来たのだ。

 バスケットの中に視線を戻す。
 こんな恐ろしい、グロテスクな道具を僕に使うつもりだったのかと思うと酷い眩暈がした。愛しの姫君が自分を犯そうとしていた事実が悲しくて、何だか無性に泣きたくなった。
 大好きな彼女に裏切られた様な気がした。
 大好きな彼女に嘘を付かれた事も悲しかった。

 その後フツフツ沸き上がって来た暗い感情を、僕はひたすら彼女の体――…主に彼女には本来あるまじき、その醜悪な肉塊にぶつけていた。

「ごめんなさ、い……っ! ごめん、な、さ……っ…」

 両手を戒める手枷のチェーンを頭上の木の枝に引っ掛けられて、震える脚で爪先立ちで大地に立たされながら泣きじゃくる少女を冷たい目で見つめる。
 前開きタイプの夜着(ナイトドレス)のボタンを全て外してあるので、彼女の全てが今、僕の目の前に晒されている。
 彼女が身じろぎする度に、汗ばんだ胸の二つの膨らみが月の光を吸って大きく弾む。
 スノーホワイト自身は恐らく気付いていないのだろう。
 自分がイヤイヤと体を揺らす度に、男の夢と希望が凝縮された青い果実がゆさゆさ揺れて、傍目にはとてもいやらしい光景に映ってしまう事を。

 スノーホワイトの裸体は今夜も惚れ惚れする程美しかった。

 何か一つ問題を挙げるとすれば、美しい彼女の体の中心で無益な存在をこれまた無益に主張しているあの醜怪な肉か。
 いつもならばぷっくりとした割れ目がつつましい様子で閉ざされている場所にある、あの無用の長物。滲む汗と芳しい花露で濡れそぼる乙女の秘密を甘やかに秘めている部分にそそり立っている、あの不毛な存在。
 その異物を更に異形な物として見せるのは、みなぎる肉の根元で冷たく光り輝く、計七本の銀のリングのせいだろう。

「やだぁ、……も、やだよぉ…っ!!」

 僕は陰茎(ペニス)を根元から締め上げるリングに、陰嚢を前方にぷるんと押し出すように締め出すリング、そして最後に陰茎と陰嚢を根元から締め上げるリングの三本セットの三連リングを彼女に装着した。 その後は根元と陰嚢に二本ずつリングを追加し、この世で最も無駄とだしか思えないその存在をギチギチに締め上げた。
 僕の与える快楽にスノーホワイトが反応すればする程、冷たい七本のリングは無情に食い込んで、彼女は快楽と同時に脳髄まで痺れる痛みを味わう事となる。
 しかしその狂おしい痛みが雄をより敏感にさせる事は、僕も先程彼女の手により経験済みだ。
 あれから僕は彼女の熱が萎える隙を一秒たりとも与えずに、ひたすら快楽を与え続けた。

―――スノーホワイトにそんな深くて甘い疼痛を味わせる事、三十分。

 彼女の熱は赤黒く腫れあがっていた。

「ふぇぇぇ…、もう、ゆるしてぇぇ……」

 例のバスケットの中には、他にもおぞましい性具の類が詰め込まれていた。
 「エルの可愛い寝顔を見ていたらついつい…」と言っていた彼女のあの言葉は嘘だった。

「許してって何を?」

 彼女の中心でそそり立つ物の先端にある赤い穴に、冷笑を浮かべながら爪を食い込ませる。

「いっ!?……ひ、あ! ゃぁ……ッ!」

 パンパンに腫れ上がった先端部分をいたぶり続けながら、今、彼女にコレが生えていてある意味良かったのかもしれないと思った。

 いつもの体のままだったらここまで思い切って彼女を虐める事は出来なかった。
 女性の体は男の自分と身体の作りが違う事もあって、どこまでいたぶって良いのか正直良く判らない部分がある。やはりどこかで自然とセーブしてしまう。

―――しかしだ。彼女の股間で己の存在を主張している、自分の物よりも一回りどころかニ回りサイズの大きいこの憎たらしい棒がある限りそれはない。

 このイライラ棒のお陰で今夜の僕には躊躇いはなかった。

 男の僕は男根(コレ)の扱い方なら、当然女体の扱い方よりも詳しい。
 どこまでイジメて良いか、どの辺りからがまずいのかその境界線も熟知している。

「僕は君とした昼間の約束を果たしているだけでしょう?夜、いっぱいエッチな事をしようねって。ほら、君に貸して貰った修道服もちゃーんと着てる。一体何が不満なの?」

 女の子がやる様にスカートの裾をヒラリとつまんでみせれば、彼女は喉を引き攣らせながら泣き笑いをした。
 スライムの粘液と彼女の先走りでドロドロになった雄の先端を握る。

「ねえ、どう?気持ち良い?ここ、この先っぽの所。ここまでぐちょぐちょに濡れてると、こうやって手の平でよしよしされるだけで気持ち良いでしょう?」
「ッひぁ……ん…!ぁっ!あ!」
「ここ、男のとっても敏感な部分なんだよね。ね、ほら、もっと沢山よしよししてあげる」
「いい!いらな…、いらな……いっ!」
「もしかしてこの程度の刺激じゃ物足りない?もっと強い刺激が欲しい?」
「ち…違……っ!」

 いやらしい汁で滑らかになった手の平を丸めて彼女の先端を包み込み、カリ首を軽く握る様にして撫で繰り回す。
 精液がリングで塞き止められて射精出来ないこの状態で、快楽を与え続けるのはもはや拷問に近いだろう。赤く腫れ上がった先端を集中的に攻めれば、彼女は「ごめんなさい、ごめんなさい……!!」と悲鳴じみた声を上げる。
 しかし僕は彼女がどんなに泣き叫んで許しを乞おうとも、朝になるまで許してやるつもりは毛頭なかった。時間と場所さえあるのなら、朝までなんて言わないで1週間…いや、1ヶ月くらい監禁して、彼女が二度と変な気を起こさなくなる様に躾け直してやりたい所だ。

「は、はぁっ……ん、――おねが、い、もうゆるして…」

 涙どころか涎と鼻水まで垂らして咽び泣いているスノーホワイトのその表情に、嗜虐の炎が更に燃え上がる。
 恐らく今の彼女の顔は、世にも美しい彼女の顔の中でもとても酷い部類の物になってしまうのだろうけど、――…僕も実は結構悪趣味なんだろうな。

 許す許さないの問題以前に、彼女のこの顔がもっと見たいと思う。

 僕はこうやって彼女を虐めているこの瞬間が一番楽しい。
 正直、彼女はどんな顔をしていても可愛いらしい。でも、悪趣味な僕はスノーホワイトは今のこの泣き顔が一番可愛いと心の底から思ってる。世にも美しい彼女が見せるこの酷い泣き顔が、僕にとっては世界で一番可愛くて、可愛くて可愛くて可愛くて大好きなんだ。

―――今、僕はありえない程興奮していた。

「こんなにペニスをビンビンにさせて、エッチなお汁をダラダラ垂れ流して、……なんてはしたない子なの?噂のリンゲインの深窓の姫君がこんないやらしい女の子だったなんて、信じられない」
「っく、……う、うう、ふぇぇぇ……ん」
「リンゲインの民達は自分の国のお姫様がこんなにいやらしい×××女だって知っているの?君がこんなにいやらしい雌××だって知ってるの? 犬みたいに涎を垂らしながら、毎晩男の(しも)を咥え込んでる淫乱ド助平変態女だって知ってるの?」
「そ、な……、し、しら…な……っ」
「知らないんだ?隠してるんだ?ふーん、詐欺も良い所だね。でもさぁ、君がペニスが大好きな事は知ってたけど、好きを拗らせて自分で生やして愉しむ程変態だったなんて」
「違!これは、イルミ様が…」
「言い訳しない」
「ひゃんっ!?」

 ぐにぐに弄っていた陰嚢をギュッと強めに握ると、彼女の膝が折れた。

「ねえ、リンゲインのお姫様がこんな変態で国民の皆さんに申し訳ないと思わないの?国民の皆さんに申し訳が立たないと思わないの?」
「――も、ゆるし…て……!」

 そろそろ彼女の限界も近いのかもしれない。

 イライラ棒だけじゃなく、陰嚢もパンパンに膨れ上がっている。
 スノーホワイトはもう爪先立ちをしているのも厳しいらしく、脚は宙に浮き、完全に木の枝から吊るされた状態になってしまった。

―――だけど、まだ足りない。

「許して欲しいの?じゃあ、ちゃんと国民のゴメンナサイといけないね」

 射精する時の様にビクビク跳ねるイライラ棒の茎の部分に手を滑らせて、はち切れそうに浮かび上がっている血管を優しくさすってやると、彼女はまたしゃっくりを一つ上げた。

「うう、ひっく、うう、あ、……リンゲインのッ、皆さん! スノーホワイトは、こんな、こんな、いやらしい雌××で、ちんぽ大好きで、ごめん、なさい……っ!ごめんなさ、い……ごめん…なさ、い……」

 涙と鼻水でボロボロのその酷い泣き顔に何かがゾクゾクと背筋を走る。

(ああ、なんて可愛いの……?)

 もう止まらない。

―――もっともっとイジメたい。

「とりあえず君が僕にした事と同じ事をしようか。その後は君が僕にしようと思っていた事を全部しようね?」
「ッも、許して……!」
「駄目だよ、許してあげない」

 絶望色に染まるその瞳も、痛々しいその表情(かお)も、嬌声なのか嗚咽なのかもはや判別不可能なその声も、全ては僕の興奮と嗜虐心を煽るだけだ。

「それもこれも君がこんなに可愛いからいけないんだよ?恨むならこんなに可愛い顔に君を産んだ天国のご両親を恨む事だね」
「ゃっ、……い、いや! いやぁあああ……っ!!」

 手を上下させる度にぐちぐち鳴るいやらしい音と、彼女の悲痛な声が辺りに響く。
 この悲鳴じみた声が啜り泣きに変わり、言の葉の形が消え、彼女の口からああ、ううと言った喃語の様な物しか出て来なくなってからが本番だと思っている。

(ああ、どうしよう。可愛い、可愛い過ぎる、もっともっとイジメたい泣かせたい犯したい壊したい……!!)

 いつの間にか興奮の極みに立っていたらしい自分がハアハア言ってる呼吸音と、異様な程ドクドク言っている心臓の音が少し気持ち悪い。
 朝まで虐め続けたい所だが、スライム毒によって性器を犯されている僕自身がそろそろ限界を迎えていた。

「じゃあ、まずは二人で一緒に気持ち良くなろうか」

 ニッコリと微笑みながら自身の雄と彼女の雄を一緒に握ると、スノーホワイトは僕が何をしようとしているのか察したらしい。
 彼女は見るのも哀れな顔をしてイヤイヤと首を横に振るが、そんな事で今更僕が止まる訳がない。

「ふぁ、あ、あっ! ひぃ、あっ、……ゃ、嫌ぁあああッ!!」
「その顔イイよ、すごくイイ。ああ、なんて可愛いの?」

―――興奮と快楽で訳が分からなくなっているのは、もしかしたら僕の方なのかもしれない。

 僕は彼女の半開きの口元から垂れる涎と、流れっぱなしの涙を舌で舐め取りながら、手に持つ二本の熱をぐちぐちしごく。
 僕と彼女の先走りでドロドロになった二本の肉とリングが擦れ合う感覚が、たまらなく気持ち良い。彼女も僕も腰を動かしているからだろう。バラバラに動く腰とそれによって擦れる感覚が、通常の性行や口淫、自慰とはまた違った快楽を呼び起こす。
 僕はうわごとの様に「かわいい、かわいい」と漏らしながら、彼女が腰を揺らす度にゆさゆさ揺れている乳房を左手で掴んだ。
 快感の突出部である不埒な小粒を押し潰してやると、快楽と痛みの狭間で揺れている少女の瞳からまた生理的な涙が溢れ出す。

「くっ……」

 あれからずっと我慢していたと言う事もあり、僕はあっと言う間に精を吐き出してしまった。
 僕だけではなく、彼女も熱の先端から苦悶の涙を零している。
 どうやら彼女もまたドライオーガズムを迎えたらしく、敏感になった熱は、一緒に握られている僕の雄がビクビク脈打つ動きにも感じている様だった。

「あ…あぁ、あ、あ……」

 彼女の顔にまで飛んだ自分の精に気付き、思わず苦笑する。

「えへへ、たくさん出ちゃった」

 ずっと出してたくて出したくて堪らない彼女からすれば、僕のこの言葉ほど残酷な物もないだろう。
 もう言葉もなく、ただ肩を震わせながらボロボロ涙を零すスノーホワイトが愛おしくて愛おしくて堪らない。
 涙を吸い取る様にして顔に口付けを落としていたら、ふと出来心が芽生えた。
 普段なら舐めようと言う発想には絶対に至る事のない、彼女の顔を汚した自分の白濁液もついでに舐めてみる。
 スライム毒のせいか、はたまた先程彼女の精を飲んで耐性がついたせいか、あまり抵抗がなかった。

「やっぱり何か変な味だねぇ、これ」

 改めて飲む物ではないなと思う。
 しかし愛する彼女には飲んで貰いたいと思ってしまう、この身勝手な男心よ。

「でもとっても気持ち良かったね。スノーホワイトも上手にドライ出来たね、偉いよ、とってもいいこだね、よしよし」
「あ……あぁ…、ぅっ…く」

 不思議と今は、自分の手の中でビクビク言っている彼女の熱も愛おしく思える。
 「上手にドライ出来たから、沢山いいこいいこしてあげるね」と向こうからすれば不条理でしかない事を言いながら、自分の精液でどろどろに汚された彼女の物を上下にしごく作業に戻った。
 尿道から先走りを押し出す様にしごき上げると、彼女はまたイヤイヤ言いながら、僕の手淫から逃れる様に体を捻る。
 逃げようとするスノーホワイトを嗜める様に、陰茎を握る手に力を込めれば彼女は喉を仰け反らして痙攣した。

「ッひぃ…ぁ!」

 グラグラと彼女を吊るしている木の枝が揺れるが、幸いな事に折れる気配はなさそうだ。

「やだよぉ、もうリング取ってよぉ…」
「うん、君がもっといいこになったら取ってあげるよ」
「うっ、うぅ、ふ……ふぇぇぇぇん、」

 自分の白い汚辱を彼女の筋張った物に塗りたくるようにぐちゅぐちゅしごきながら、正気を失いかけているスノーホワイトの瞳をジッと見つめる。

「ちゃんといいこになる?」
「いいこ、なる…!なる…か、ら……っ!」
「本当に?いいこに出来るの?約束する?」
「やくそくする、するっ!」
「もう、仕方ないなぁ」

 僕は彼女の熱をしっかり握ったまま、地面にしゃがみ込むともう片方の手で彼女の陰嚢を上に持ち上げた。

「ひぁ……っ!?」

 根元で縛られた袋の中でもにょもにょと動く双子の玉も、僕の責め苦からどこかへ逃げ出したいと言ってもがいている様だ。
 そんな彼女の内性器までもが可愛らしく思えてきて、僕は衝動的に陰嚢をパクッと口に含んでみた。

「ひゃん!……え、える、そこは、食べちゃ、だめだよぉ……っ」
「そう?」

 その可愛い反応に、後でこちらも一玉ずつ縛ってイジメてやるかと考えながら口を離すと、陰嚢の下の会陰部位を覗き見る。
 こんな所、自分の物も他人の物も今までマジマジと見る機会もなかったし、見たいとも思った事もなかったので少しだけ興味深い。

(ここね……)

 まさかと言ったその怯え顔ににんまり笑って返しながら、闇医者による雑な手術痕の様な縦線を指でなぞる。
 その一本筋の下には、マジックトリュフの効果で一つだけになってしまった穴が、物欲しそうにヒクついていた。
 しばらく焦らす様に、その縦筋のラインをなぞって遊ぶ。
 彼女が熱い吐息を漏らしながら腰をもじつかせて来た辺りで、薄い皮膚の裏側に潜んでいる前立腺を探し当てる様に、会陰部をふにふにと押してみた。

「え、な、なに……!?」
「あ、ここ?」

 スノーホワイトが一際大きく反応した部分を、ぎゅーと押したまま上下にグリグリ動かしてみると、彼女の腰と手の中の雄が面白い位ビクビク跳ねた。

 バサバサと頭上の木の枝葉が揺れる。

「や、やん!エル、そこ、変、へんだよぉ……!!」
「変なの?じゃあ”ヘン”じゃなくて”悦く”なる様に、舌でツンツンしてあげる」
「あ、待って!――エル、ツンツンやだ、ツンツンやだ……っ!」
「じゃあペロペロにするね」
「やだ!ぁ、ひ!ぺ、ペロペロもやだ!ペロペロやだぁ……っ」
「どうしてそんなワガママばかり言うの?さっきちゃんといいこするって約束したばかりでしょう?――いいこに出来ないのならお仕置きになるけど、どうする?」
「そ、そんな……っ!!」

 雄を握る指に力を入れ、口元にだけ笑みを浮かべてそう言うと彼女の瞳からまたボロボロと涙が溢れた。

「ほら、どうするの?」
「う、うううぅ……、――じゃ、じゃあ、ペロペロに、してくださっ……ぃ」
「分かった。いいこだね、可愛くおねだり出来たご褒美にこのプリプリの袋も一緒なでなでしてあげるね」
「ふぇぇえええん、そんなご褒美、いらなっ、いらないよぉ……」

 会陰部を押して中の前立腺を刺激しながら陰嚢を(さす)る。
 スノーホワイトはもうイキたくてイキたくて仕方がないのだろう、さっきから四肢がビクビク痙攣している。
 優しい僕は「ならば…」、さっきからずっと上にせりがっていた睾丸をそのまま袋ごと掴んで下に引っ張ってやった。

「ッひぃ、あ! な、なに……これ…?」

 双子の玉が上にググッとせり上がってくるのは射精の合図だ。
 こうして下に引っ張ってやる事で射精感は低下する。
 彼女の興奮が最高潮まで高まり、リングの喰い込みと痛みが限界まで達した様に見えたので、こうする事により雄を鎮めてやったのだ。
 またすぐに上に上がって行こうとする素直な双子が可愛くて、クスクス笑いながら再度下に引っ張り戻す。

「ふぇ、……ぅ、ぁ…、ぁ…」

 眉を八の字に下げ歯を食いしばりながら情けない声を出す彼女を見ていると、胸が甘酸っぱい気持ちで満たされて行く。

「男の性器なんて気持ち悪いだけだと思っていたけど、……君の物だと思うと不思議と愛おしく感じて来たよ、スノーホワイトは性器(ペニス)も可愛いね。君の望み通り、今晩はここも沢山愛してあげる」

―――もう、今夜の僕の暴走は止まりそうになかった。

 雄を扱きながらもう一度袋を口に含んでみれば、僕の口の中で双子達がうねうねと動くわ動くわ。
 逃がさないとでも言う様にそのまま玉を一つ唇で挟んで捕まえてみたり、パッと放して逃がして袋の中で泳がせてみたり、また上に戻ろうとする玉を捕まえて今度は舌先でつついて遊んでみたり。当然男の急所である場所な事は百も承知なので、半熟の目玉焼きの黄身の膜を破かない程度の強さの微弱な刺激を与え続ける。

「ふ……ぅあ、あっ!……やだぁ、やだよぉ…っ」

 言葉とは裏腹にスノーホワイトの漏らす声には甘いものが帯びている。陰嚢の口唇愛撫で感じてきた証拠だろう。
 握り締めている熱の先端からは、僕の白濁液を押上げてまた透明な湧出物が溢れ出していた。

 しかしこれ、意外に楽しいね。
 僕もマンネリ防止に、たまに彼女にマジックトリュフを食べさせるのも良いのかもしれない。

 左手で筋張った物を扱きながら、口の中で逃げたがる双子を転がし愛でて、右手では耐えず会陰を押して前立腺を刺激し続ける事しばし。――彼女が壊れた。

「イヤァアアアアア!!――やだ、も、やだやだやだぁ……ッ!!イかせて、イかせてぇ――――ッ!!」

 啜り泣きが号泣に変わる。

「っく、イキたいよぉ、イキたいよおおおおお……うぇぇええええん!!もうイヤだ、嫌だぁ、いたい、……っく、ひっく、ぅ、ぅぅ…おかあさま、助けてぇ」

 スノーホワイトと二人きりの蜜夜、散々彼女の事を虐め倒して来た僕だが「お母様助けて」は初めて聞いた。
 今夜はちょっとイジメ過ぎたかもしれない。――と思いはすれどももう止まらない、止められない。

「――分かる?ここ。ここが君の前立腺」
「っ!は、ぁ、…あ…あっ!」
「会陰がぷっくりしてきたね。ねえ、気付いてた?さっきからペニスがビクビク言う度、蟻の門渡りまでビクビク波打ってる。これ、すっごいいやらしい」
「――ゃ……っ、やめ…」
「そろそろ僕が欲しくなって来たでしょう?」
「も、やだ!……やだ、やだ、やだっ!!」
「ほら、可愛くおねだりしてごらん?」

 自分の雄を握って見せ付けると、いらない、いらないと彼女は首を横に振る。
 当然僕はそんな反応が面白くない。

「スノーホワイトの上のお口は本当に嘘吐きだね。なんで下のお口みたいにペニスが欲しいよー、欲しいよーって可愛くおねだり出来ないの?」
「だって!…もう、ムリ!……いらな…い……っ!!」

 彼女の雄を横倒しにして横笛を吹く様に口に咥えながら、男を求める様にヒクつくその入口を指の腹でさする。

つぷん、

 僕達の体液とスライムの粘液が混ざった物を潤滑油にして指を挿し込むと、すぐにお目当ての場所を探し当てる事が出来た。
 恐らくこの柔かな膨らみで合っているはずだ。殻を剥いた栗みたいな感触のこれ。

「ぅぁ…ぁ、ッああぁ、あ、」

 それを指で軽くトントンしてやると彼女の号泣はピタリと止まる。
 スノーホワイトは歯を食い縛りながら、何かに耐える様に震えていた。

「ぁ、あっ……あ…の、エル、ね、エル……?」
「ん?どうしたの?」
「ふぁ、あっ、あ、あん! そこ、やだ……、で、でそう、なんかでちゃいそ……ぅあっ!」
「ふーん。……で?」
「で、でって、だから、……でそう、だから…! おちんちん、おちんちんが、いたくて……!」

 涙ながらの訴えを無視し、僕は中に入れた指の本数を増やして行く。

「ひぅ!…ぁ……ッそんな、だめ、だめ、」
「噂には聞いてたけどマジックトリュフって凄いね、女の子に陰茎(ペニス)が生えて前立腺まで出来ちゃうなんて。スノーホワイトは本当に性器(ここ)だけ男の子になっちゃったんだねぇ」
「――ぁっああ!え、える、そこ、ダメだってば! そこギュッギュされると、ちんち、いた、いたい……っ!!」
「大丈夫だよ、安心して? 今おちんちんもよしよししてあげるからね」
「ふえ……?」

 チュッと彼女の雄の先端に口付けした後、立ち上がると、僕はあのジャム瓶の中に片栗粉(ポテトスターチ)を入れて固めた物の穴にボトボトとスライムを注ぎ込んだ。

 スノーホワイトの泣き顔が絶望で歪む。 

 まるで自国を敵国に滅ぼされた様な、そんな絶望で満ち溢れた顔で首を横に振り続ける彼女に僕は晴れやかな笑顔を向けた。
 膝どころか全身をガクガク震わせて泣きじゃくる彼女の臨界点を突破した熱に、僕はそのスライムたっぷり注ぎ込んだ物を挿し込んで行く。

にゅぷぷぷぷ……!

「あっ、ひ、ひあ、……あ、ああああああああ……っ!!!!」
「大丈夫だよ、今お尻にも挿入(いれ)て両方一緒に可愛がってあげるから」
「ッや、やだ!やだ!やだ!や、やめ、やめ……っ」

 刺激から逃れるように、もぞもぞと腰を揺らす彼女の太股を一本持ち上げて、そのまま後から己の熱を挿入する。
 これで彼女の手首の方の負担は大分少なくなるはずだ。

「ひっ、ぁぁっ!あ、ああっん!……はっ、はぁ、……ふあ…ぁぁ…、」
「うわ、キッツ……」

 やばい、これ最高に気持ち良い。

 ぐちゅぐちゅとスライムたっぷりの瓶で彼女の熱を扱きながら、さっき見付けた前立腺に己の雄を擦り付ける様に腰を動かす。

「ッぁああん!!もうやだよぉ、リングとってよぉ!!このままじゃ死んじゃうよぉおおおお!!」
「大丈夫だよ、この位じゃ人間死なない様に出来てるから」

 仕方ないのでまた袋ごと玉を下に引っ張って射精感を宥めてやると、彼女の瞳からブワッと涙が溢れ出した。

射精()したいよぉ、だしたい、よぅ、……っく、ひ、…ひっく、」
「そっかー、出したいんだ?」
「うん、だしたい!だしたい…!!」
「ふーん、何を出したいの?」
「せーえき!せーえき、だした…い……!!」
「精液かー、精液ねぇ、どんな風に出したいの?」
「ビュビュって、だしたい……!せーえき、いっぱい、だした…い……! おねがい、おねがい、もうイかせて!イかせてくださ…い……っ!!」
「スノーホワイトは精液をビュビュって出して、気持ち良くなりたいのかぁ、なるほどねー」
「うん、うん……!!」
「そっかー、精液いっぱい出したいんだねぇ。やだなぁ、そんなに僕にイかせて貰いたいの?」
「うん、イキたい……!!イかせ、て!?」
「そっかそっかー、スノーホワイトはそんな事ばかり考えて、本当にどうしようもないお姫様だねぇ」
「ぅぅっ、ふぇぇ……うぇぇええええんっ!!」

 駄々っ子をあやすような口調で全く相手にせず、にこやかに微笑みながら自分の熱を彼女の前立腺にすりすり擦り付けていると、スノーホワイトは火がついた様に泣き出してしまった。

「……だしたい…よ! だしたくて、だしたくて、気が狂いそうなの!お願い、お願い、エル、わたし、このままじゃ…アタマおかしくなっちゃう……っ!!」

―――その顔に、その言葉に、僕の中で何かが壊れて行く。

「おかしくなっていいんだよ?ほら、もっとその泣き顔を僕に良く見せて?……ああ、可愛い、なんて可愛いの。――……ねえ、いっその事このまま狂っちゃいなよ?」
「へ……?」
「早くおかしくなっちゃいな?そしたら僕が責任取って一生面倒みてあげるから。 ね、毎晩こうやって朝まで可愛がってあげるからさ、早いトコ狂っちゃって?」
「い……ぃ……っ、」
「い?」
「……いやだああああああああっ!!無理!!無理!!こわい、こわい、エルがこわいっ!!――イルミ様、も、助けて、たすけてぇ……っ!!」

(え……?)

 彼女が叫んだあの男の名前に、熱に浮かされていた僕の思考が停止した。

―――その時、

ガサリ、

「トリュフを使ったスノーホワイトと屋外でアナルファックとは、この坊やは随分とアブノーマルなプレイがお好みの様だ」

 近くの茂みから姿を現したその男の姿に、僕の顔は引き攣った。

「に、兄さん……?」
「女装癖の変態坊やの恥ずかしい姿を沢山見させて貰いましたよ」

 一体いつからそこに居たのか。
 腕組をしてクックと喉で嗤うイルミナートの姿がそこにあった。


****


 その男の登場により僕の頭と下腹部の熱が急速に冷めて萎え萎むが、今僕の分身は彼女の中にある。
 しばらく惰性で腰を動かし続け、冷静さと硬度を取り戻すと、僕は大きく嘆息して肩を竦めるジェスチャーをして見せるが、頬を伝う一筋の汗は隠せそうにない。

(よりにもよって、女装してる所をコイツに見られるなんて……、)

「変態ね……兄さんには言われたくないな、あんたが彼女にこの茸を食べさせた張本人なんでしょう?」
「ええ、そうです。……で、失敗した様だな、スノーホワイト」
「いるみ、さま…、すみません、すみません……!」
「え?」

 思わず彼女に視線を戻すと、ボロボロの顔でしゃっくりを上げながら兄を見つめる少女の顔が青ざめていた。
 呆けた顔になる僕を見て、その男は悪人の様な顔で嗤う。

「まさかスノーホワイトに夜這いをかけられたとでも思ったのですか?随分おめでたい頭をしていますねぇ」
「……どういう事なの、スノーホワイト?」
「ごめんエル!!お、怒らないで!?お願い怒らないで!!これは不可抗力なんだってば!!」
「はあ…?」

 「早く話せ」と玉を強めにニギニギしながら凄んでみせると、スノーホワイトは涙を千切りながら叫ぶ。

「エルが心配だったの!夕飯を食べに戻らなかったし、お腹も空いてるだろうなって!だから『あとで様子を見に行っていいですか?』ってイルミ様にお願いしたら、お怒りを買ってしまって…、」
「スノーホワイトは私のお仕置きの最中だったんです。私の七日に一度の楽しみを掠め取ろうとした坊やのカマを掘って、ヒイヒイ泣かせるが出来たら許してあげましょうと言う話だったのですが、逆に掘られているなんて」
「イルミ様、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいいいっ!!!!」
「な、なにそれ…」
「エル、ごめんね、ごめんね…! イルミ様、怒ると怖いから……」
「…………。」

 涙ながらに語る彼女のつたない言葉を繋ぎ合わせると、つまりはこういう事らしい。
 兄と愛し合ったその後、スノーホワイトは夜食を作って僕の所に持って行こうと考えていた。しかし兄との夜に他の男の事を考えていた彼女は、彼の怒りを買ってしまう。
 彼女はベッドに拘束されると無理矢理マジックトリュフを食べさせられて、それはそれは恐ろしい夜が始まったのだと涙ながらに語りだした。
 トリュフの効果で男根が生えればすぐに根元を固く縛られて、その後は陰茎を搾乳機で死ぬほど搾乳され、射精したくても出来ない状態で長時間放置され、気が狂いかけたのだとか。
 ちなみにその間、兄は彼女の横でずっと本を読んでいたそうだ。
 兄が1冊本を読み終えた後、彼女は地獄の責め苦からやっと解放されたと思ったのだがそうではなかった。兄は次に尿道ブジーで彼女の尿道を開発し、彼女は尿道攻めをされると言う憂き目に遭う。お次はブジーを尿道に挿し込んで固定したまま、僕に持って行く”夜食”をキッチンで作らせられたのだそうだ。
 ちなみに夜食を作る時は裸エプロン姿で、兄に後からズコバコ犯されながら、震える手で一生懸命作ったのだと言う。
 「私が満足出来る様な、趣向を凝らした夜食を作らなければ許さない」と言う兄を満足させる為に作ったのが、今彼女の陰茎に被せられている片栗粉(ポテトスターチ)を固めて作った性具なのだと言う。

(我が兄ながら酷い……)

 聞いていて少し呆れてしまった。

(でもそのプレイちょっと興味ある…って言うか、今度僕もやってみたいなぁ)

 兄と血の繋がりを感じる…。
 やっぱりこの人と僕って血が繋がってるんだろうね…なんか嫌だな…。

 その後、スノーホワイトは兄に「では私の可愛い義弟の所に”夜食”を持って行く事を許可しましょう」と例のバスケットに入ったいかがわしい道具一式を持たされて、ここに馳せ参じたと言う事だったらしい。

「まあいいでしょう、これも予想の範疇です」

 やれやれと溜息を付きながら僕達の結合部位を一瞥すると、兄は自身のベルトに手をかけた。

「そろそろ身体も元に戻る頃合の様ですし」

 兄がそう呟いた瞬間、僕が右手に握っていた瓶の中から彼女の物がすぽっと抜け落ちた。
 僕の物よりも大きかった彼女のそれはいつの間にか親指サイズになっており、しゅるしゅると音を立てながらあっと言う間消えてしまった。
 同時に陰茎を戒めていたリング達が、チャリンと音を立てて地面に落ちる。

「本当だ……」

 確認がてら彼女のその部分に触れてみると、そこには慣れ親しんだ一筋の亀裂があった。割れ目の部分をなぞってみると可憐な小粒が指に当たる。その下には男を受け入れる裂け口もちゃんとあった。――…元の、女の体に戻っている。

「ではお仕置きの続きをしましょうか、スノーホワイト」
「ゆるして……ゆるし、て。 イルミ様、おねが、ゆる、ゆるし………」

 哀れな表情で泣き縋るスノーホワイトの太股を兄は前から持ち上げた。
 既に猛り勃っている兄の一物に装着されている、目にも痛い凶悪なシリコン製のイボイボリング――…いや、トゲトゲまである。そんな恐ろしいブツに僕とスノーホワイトの視線は一瞬にして奪われる。

「いやぁああああ!!い、いや、イルミ様、ゆるして!ゆるして!ゆるして!ゆる…」

 ぬちっと音を立てて、何ともえぐい物で兄は彼女を貫いた。

「ッひ、あ、あ、ぁ、ぁ……いや、いやあああああああああああああ……!!」

 挿入された瞬間彼女は達してしまった様で、必死にバタバタさせていた脚はピンと伸ばされ、爪先にいたってはビクビク跳ねている。
 後の僕の締め付けも激しくなった。
 僕は額の汗を拭うと薄く笑いながら、彼女の胸の小粒を摘む。

「兄さんと一緒にお仕置きするのは不本意だけど。――……スノーホワイト、今晩は僕もそう簡単に君の事を許せそうにない」
「げっ」

―――そして、長い夜の宴は始まった。

「ゆるして、もうゆるして……っ!!」
「許しません。本当に詰めが甘いお姫様だ、坊やのあんな見え見えの罠に引っ掛かるなんて」

(やっぱり最初から見てたのかよ、この男……)

 苛立ちのあまり、彼女の乳首を摘む指に力が入る。

「きゃぅッ!?」
「事情は判ったけど、……やっぱり面白くないな。兄さんの命令で僕を騙すつもりだったなんて。なんで正直に話してくれなかったの?話してくれたら僕、君の力になったのに」
「え、えと」
「……あまつさえ僕を犯すつもりだったなんて信じられない。――…今日と言う今日は、僕が男だって事をこの体にしっかり教えこんであげないと」
「いやあああ、いやあああ!!ふ、かい…、ふか、い!!やだ、はげし、すぎ……る……あっあ!あ、ふぁああっんん!!」

 ふと正面の男と目が合った。

「兄さん」
「なんだ妾腹」
「僕はあなたの事が嫌いです」
「珍しく意見が合ったな」

 クツクツと喉で嗤いながら、彼女を挟んで睨み合う。

「色々と言いたい事はありますが、まずは彼女のお仕置きを済ませてからにします」
「奇遇だな。私も盗人猛々しい坊やに積もる話があるが、今はこちらが先決だ」

 今回は未遂で終わったが危ない所だった。
 悔しいが、この男はまだ僕の1枚も2枚も上手なのだろう。

(いつか、絶対あんたを地面に這い蹲らせて泣かせてやる……)

 熱い何かが胸にメラメラと燃え上がる。
 母の死で消えかけた炎がまた再熱するのを感じた。

(僕と母さんの復讐だとかそういう物じゃない。7人の恋人の中で僕が一番良い男だと思って貰える様に、まず僕はこの男を超える必要があるんだ)

 母を失くしたあの日からずっと胸にかかっていた靄が晴れて行くのを感じる。
 こんなに清々しい気持ちになるのは一体何年ぶりだろうか。

 人生はいつだってシンプルだ。

 帰る場所がないと嘆いていても何も始まらない。帰る場所が欲しいのならば自分で作れば良い。
 更地になった家の前で一人佇んでいても、失った物は何も戻っては来ない。
 帰る家がないのなら、何なら自分の稼ぎで建てても良いのだ。僕はもうそれが出来る大人なのだから。
 人生の基盤が崩れたらまた一から固めて行けば良い。
 生きる目標を失ったらまた自分で探して行けば良い。

―――そしてそれはこんなにも身近にあった。

(ありがとう、スノーホワイト)

 僕は今の今まで母さんを差し置いて、一人で幸せになる事に後ろめたい感情があった。でも、そうじゃない。僕が愛する人を見つけて幸せになれば、母さんもきっと喜んでくれるだろう。
 僕がいつまでも同じ所でうじうじ立ち止まっていたら、訪れる幸福や掴めるはずの愛やチャンスを見送って、ただ独りで寂しい人生を送っていたら、母さんは喜ぶだろうか?否。そうじゃない。

―――今この瞬間、僕は母の死から完全に立ち直った。

 一国の姫君であるスノーホワイトを僕だけの物にするのは、恐らく王都での出世争いよりも遥かに難しい事だろう。

―――でも、負けない。

 負けるつもりはない。

(ねえ、スノーホワイト。僕さ、今日からもっともっと頑張るから)

 君に愛して貰える様に頑張るよ。

 そりゃ兄さん達に比べれば僕はまだまだ子供かもしれないけど。でも君への愛で彼等に負ける気はしない。何年後になるか判らないけど、近い将来、君が僕の事を「可愛い」なんて思う事がなくなる位「格好良い」男に成長するから。

(そしたらその時は力技で君の心も体も浚ってあげる。――…だから覚悟しておいて)

「も、朝だよ……!やめよう、よ……っ!!」

 彼女のうなじに唇を落としながら、唇の端を吊り上げて嗤う。

「兄さん、朝陽が昇ったら営みを中断しなければならないルールなんてありましたっけ?」
「ない。しかし男側からスノーホワイトを誘って良いと言うルールもない。可哀想に、来週坊やはぺナルティですねぇ」
「えー。何の事だろう、僕さっぱり分からないなぁ」
「とぼけるつもりですか?証人はここにいる。――ねえ、スノーホワイト?」
「スノーホワイト、君は僕の味方だよね?」
「ひいいい!!?」

―――いつかあんたの事も絶対越えてみせる。

(覚悟しろ、このクソ眼鏡)

「だ、誰か助けてぇ……ひっく、っく、もう、ヤダよぉ……」

 嗚咽を上げる彼女を挟んで、兄と僕の間でバチバチと火花が散った。

多分数年後には外身も中身も良い男に育ってると思います。>エル。
性癖とドsレベルは知らん。
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Siti Dara

Hi. I’m Designer of Blog Magic. I’m CEO/Founder of ThemeXpose. I’m Creative Art Director, Web Designer, UI/UX Designer, Interaction Designer, Industrial Designer, Web Developer, Business Enthusiast, StartUp Enthusiast, Speaker, Writer and Photographer. Inspired to make things looks better.

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