3・赤ずきんちゃんと魔性達
―――森の悪魔ドライアド。
お化け柳よりも世間の知名度は低いが、お化け柳よりも凶悪で凶暴であると知られている木の悪魔である。
樹齢が1000年を越える森の孤独な樹に、彷徨える魂が宿り悪鬼と化した魔性の一種だと言われている。
貧しい村々の口減らしに森に捨てられた子供や老人、自ら森の中へと自死しに来た者、森の中で狼や魔獣により無残に殺された者、そんな者達の魂の慣れの果てだと言う一説もある。
しかし最近は大昔、黒魔術が禁忌でなかった時代に、黒魔術師達が悪戯に魔界から呼び出した魔性の生き残りが人の世に適応し、進化を遂げた姿と言う説がメジャーらしい。
姿形は大きな樹の幹の部分から美しい人間の女の上半身が浮き出ており、髪は木の蔓、耳はエルフの様に尖っている。目は魔性独特の三日月色か緋色で瞳孔は縦に細長い。魔力が高く、凶悪な個体は緋色の目だと言われている。
根を土の中から引っこ抜いて自ら移動する事も可能であるし、そのまま根を埋め、普通の木のフリをして辛抱強く普通の樹のフリをして餌がかかるのを待つ事も多い。そしてあやかしの歌を歌い、人を森の奥深くへ誘い込むのが彼女達の常套手段である。
それもあり、この世界では子供がある程度大きくなって、森に野苺や木の実を摘みに行ける年齢になると、まず親は一番最初に「日が暮れる前に絶対に森を出なさい」「一人で森の奥深くへ行ってはいけません」「昼間でも森の奥から歌が聞こえてきたら、すぐに森を出なさい」と教える。
ドライアドの歌は遠くで聞く分には大した効果はないが、近くで聞けば聞く程、魔力耐性のない人間は抗えない。フラフラと彼女達の元へ誘導されてしまう。
心が弱った人間や心に闇を抱えた人間は、例えそれが遠くで聞こえた物でも彼女達の歌にかかってしまう事が多いと言う。
ドライアドの餌は、主に若い人間の肉体と精神だ。
平たく言ってしまえばドライアドとは若くて美しい人間の女を自身に取り込み、人の男を惑わす森の悪魔である。
定期的に人の子を取り込まないと人の姿が保てなくなり、ただの樹に戻ってしまうと言う性質故に彼女達も必死だ。
しかしそんな彼女達の餌はもっぱら人間の男の方なのだと言う。
ドライアドは人の女に変化した上半身にある口の部分で、男の子種を吸引する事により繁殖する。
その為、彼女達は美しい女を己の体内に取り込む必要がある。
彼女達は人の悪意などの負の感情を吸収すればする程魔性として強力になって行く生物であるが、人の恐怖や怒りなどの負の感情は快楽に感じるらしい。
美しく神秘的な外見をしているがその本性は残酷で、男の精を散々搾り取った後はなぶり殺しにすると言う。
痛めつけながら精を搾り取るタイプもいるらしく、その手順はそのドライアドの性格にもよると言われている。
女の場合はすぐに己の体内に収め、吸収する事が多いと言う。
ドライアドはこの世界の妖魔の中では低級妖魔に属される分類に入るのだが、それでも剣や魔術を使えない人間にとっては脅威でしかない。
―――何故ならば、この世界では魔獣は騎士30人あってやっと倒せる存在で、妖魔や魔族にいたっては出会った瞬間死を覚悟しろと言われているからだ。
低級と言えど妖魔。されど妖魔。
そんな妖魔の群れに囲まれ、俺は絶句していた。
(なんだこら……?)
不運が重なり過ぎだ。
普通に生きていれば、まず人は妖魔と出会う事はないのだ。
そりゃ確かに夜、街道を外れ、郊外に出れば魔獣と遭遇する事もある。
森の奥には魔獣も妖魔もいると言われているが、それでも昼間彼等に遭遇する確率はそれ程高くない。
神聖国アドビスと知的探求国デンマーズの国境にある”妖魔の森”は、確かに朝でも昼でも夕でも夜でも妖魔が徘徊している危険な森だと聞くが、あそこは人間界の三大魔境の一つに入る。
この森はそんな魔物の巣窟ではない、極々普通の森だ。
確かに昼間でも真っ暗な森なので、闇の森ミュルクヴィズとかなんとか呼ばれたりはしている。そりゃさっきの俺の様にたまに狼と出くわす事はあるが、夜中に徘徊しなければまず魔獣と会う事もない。
昼間森で妖魔と人間が遭遇する確率は、妖精やユニコーンなどの稀少な魔法生物との遭遇率と等しい位だ。
そんな妖魔の群れと遭遇となると、もうこれは己の不運を嘆くしかない。
『ほほほ、お前はまずそこで見ておれ』
スノーホワイトを捕らえたドライアドは、すぐに吸収する事はしない方針で行く事にしたらしい。
俺は木の蔓に蓑虫の様にグルグル巻きにされたまま、下方で両手両足を縛られている彼女をの名を呼ぶ。
「エルザさん!!」
「スノーホワイト!!」
ドライアド達は何故かエルザの事はスノーホワイトと違って取り込むまえにいたぶる方針で行く事にしたらしい。
木の蔓で、鞭の様に彼女のしなやかな肢体を切り裂いて行く。
ザシュッ!!
「くっ……!!」
「エルザさん!!」
彼女が心配ではあるのだが、服が切り裂かれる度、徐々に暴かれていく彼女の白い素肌の方に目が行ってしまうのは男の性であろうか。……いや、女なんだけどな、体は。
『これは随分と可愛らしい男の子じゃのう』
『たっぷりと可愛がってあげようぞ』
「へ?……男の子…?」
舌なめずりするドライアド達の言葉に、俺は呆けた声を出してしまった。
―――次の瞬間、
ザシュッ!!
ドライアドの蔓がエルザの純白のドロワーズを引き裂いた。
瞬間、彼女のドロワーズの中からピンク色の何かがポロンとこぼれ落ちる。
「み、見ないでスノーホワイト!!!!」
真っ赤になって叫ぶエルザの股間から生えるその可愛らしいピンクの茸は――……どう見てもちんぽです、本当にありがとうございました。
「お、男おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?……うそ、うそ、うっそーっ!!!?」
「見ないでって言ってるだろ!!」
ギュッと目を瞑るエルザのその愛らしい茸の根元に、ドライアドの蔓がしゅるしゅる伸びまだ幼さの残る彼の男根を締め上げて行く。
「あああああああっ!!」
(うわ、痛そう……!!)
悲鳴を上げるエルザを見て思わず俺は及び腰になった。
手が自由であったなら、俺は絶対に男時代の名残で自分の股間を押さえていただろう。
『精を吸い取る前に、楽しませてもらうぞ』
『ひゃひゃひゃひゃひゃっ!!』
「やめろ、この化物!!」
気丈な目で一喝した後、エルザは瞳を閉じると何やら呪文を唱え始めた。
(魔術師…!?)
だとしたらエルザはかなりレアだ。
この世界では100人に1人の割合でしか魔力を持った人間はいないと言われている。そしてそれを使いこなせる人間となると、更に限られて来る。
―――しかし、
『おお、術が使えるのか』
「ぐっ、……ううっ!」
ドライアドの蔓がエルザの首を絞め、彼の呪文詠唱を中断させた。
『ほれほれ。どうじゃ、辛いかえ?それとも気持ちが良いかえ?』
『ほほほほほ、この坊や、先っぽからはもう透明なお汁が漏れておるぞ』
首を絞められ呻くエルザの剥きだしの雄をドライアド達はその青白い手で扱いたり、敏感な先端部分にふうと息を吹きかけたり、舌先でつついたりして辱め出した。
「や、やめ…」
根元が縛られている以上、どんなに気持ちが良くなってもエルザは射精出来ないのだ。
締められている首を手で押さえながら、苦しげに呻くエルザだが、その腰は先程からビクビクと断続的に痙攣している。
ドライアド達もまずは彼の精を搾り取り、恐れや羞恥心などの負の感情を戴くのが目的だからだろう。
エルザの首を絞める蔓を緩め、彼の乱れる吐息や嬌声は聞こえる様に、しかし呪文詠唱は唱えられない具合に、上手い具合に首に巻いた蔓の強さを調整しているらしい。
美少女と見紛うばかりの女装少年が、魔性のお姉様達にイジメられているその光景に、俺は――…いや、スノーホワイトの秘所も疼きだした。
―――恐らく男の体だったら、俺は今完全にフル勃起していたと断言する。
はい、男の娘 とかフタナリとか前世大好物でした。
はい、良く夜のオカズに使っていましたね、ええ。
『ほう…?』
俺を捕らえたドライアドが意地悪な目付きでこちらを見上げると、声高らかに笑いだす。
『このオナゴ。坊やがわし等にいたぶられている様子に欲情しておるぞ』
「な!」
「えっ?」
ドライアドの言葉に真っ赤になったのはスノーホワイトだけでない、エルザもだった。
もしや蔓で絡め取った俺の心の内でもわかるのだろうか?
確かそんな魔性もいると噂に聞いた事がある。
『いいだろう、主も楽しめ』
スノーホワイトを捕らえた蔓がやや弱まるが、それでも手足は硬く拘束されたままだ。
そのままスノーホワイトの体は、上空より大地へと下ろされて行く。
『くくく…、皆の者、これを見よ』
ドライアドの本体前の目の前まで降ろすと、そのドライアドは魔性独特の白過ぎる手でスノーホワイトのスカートを捲り、既に染みが出来ているスノーホワイトの下着を撫でた。
『こんなに濡らしおって、恥ずかしい娘じゃ』
「きゃああ!!?――や、やめ…!!」
ドライアド達の嘲笑と共にごくりと唾を飲み込む音が微かに聞こえた。
「スノーホワイト…」
見られてる。
エルザに、見られてる。
ドライアドは蔓でスノーホワイトの太股を持ち上げる様にして縛りなおしながら、下着の上から花芯を擦りだした。
「やっ!やぁ、やめて、くださ……っ!!」
いやいやと首を振り嫌がりながらも、俺は興奮していた。
ドライアド達の上半身は、それはもう美しい人間のお姉様方なのだ。――しかも、裸の。
そんなお姉様達に口々に言葉攻めされると言う、前世、夢にまで見たシチュに俺は感じまくっていた。
―――しかも今回はむさくるしい男じゃない。
ご褒美ですか、これは。
ビバ女体転生、涙が出る程嬉しいです。
(って、相手が男じゃない事に喜んでる場合じゃねぇよ!!女でも妖魔だよ!!)
とは思うのだが、鋭い爪の先端で下着の薄い布越しに花芯をカリカリ引っ掛かれるととても気持ちが良いのだ。
あの男達によって散々女の悦びを教えられた体はすぐに反応してしまう。
スノーホワイトの花芯は既に下着の上からも判るほど勃ちあがり、膨れあがっていた。
最初はうっすらだった下着の染みも徐々に深い色となり、その範囲も広がって行く。
『そんなに雄が欲しいのかえ?』
『いやらしいオナゴじゃのぅ、これはもう男を知っている顔じゃな』
「や、やめてくださいっ!!」
『ほれほれ、わしらに己の恥ずかしい部分を見せてみろ』
笑いながら見ていたドライアドの鋭い爪が、スノーホワイトの紐パンの結び目を裂いた。
「きゃああああああああああ!!」
ただでさえ薄くて頼りない下着がはらりと大地に落ちて、スノーホワイトの秘すべき場所が衆目に晒される。
『ほほほほほ!見てみよ、こんなにおそそを濡らしておるぞ』
『もう男が欲しい、男が欲しいとヒクヒク言っておるではないか』
『坊やにもこの恥ずかしい様子を見てもらえ』
そのままスノーホワイトの体は下へと下ろされて、大きく脚を開かれた状態でエルザの目前で固定された。
「見ないでぇ、見ないでエルザさん……!!」
「スノーホワイト…」
エルザの目の前に、愛液で濡れそぼり、ヒクつくスノーホワイトの秘所が晒け出される。
彼の吐息が秘所に届く、そんな至近距離だった。
恥ずかしくて恥ずかしくて、しかしそんな羞恥心が更に火を付けるのか、スノーホワイトの秘所からたらりと蜜が溢れ出した。
―――ちょっと待て。スノーホワイト!!……の体を持つ俺。
(命のピンチなのに、何でこんなに感じまくってるんだよ!?)
今までの状況とは明らかに違うのだ。
ここは感じる所ではない。
命の危機を感じる所だ。
しかし。――…ドライアド達の辱しめにも感じてしまっているこの体は、確かに今、目の前にある少年の陰茎を欲しがっていた。
「エルザさん…、」
「スノーホワイト…」
名前を呼んだ瞬間、彼の性器がびくりと反応したのは、――…恐らく偶然でも俺の自惚れでもない。
魔性達の哄笑に怯えた鳥達が空へと飛び立つ羽音が、どこか遠くに聞こえた。
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